2019年のAston Martin Red Bull Racing《写真提供 Red Bull》

F1に参戦するレッドブル・レーシングは1月31日、チームのタイトルパートナーを務めるアストンマーティンとのそれに関する契約が今季2020年限りで終了する旨を発表した。アストンマーティンには21年の“自チーム擁立”に関する報道も出ている。

昨季19年からホンダ製パワーユニット(PU)を搭載して戦っているレッドブル・レーシング(通称レッドブル)はアストンマーティンがチームのタイトルパートナー(スポンサー)であり、近年は「Aston Martin Red Bull Racing」が正式チーム名となっている。レッドブルは1月31日発行のステートメントで、今季20年シーズンもアストンマーティンがタイトルパートナーとしてチームとともにあること、ただしそれ以上の契約延長はされないことを発表した。

レッドブルはアストンマーティンに感謝し、タイトルパートナーシップ最終年となる今季の成功への強い決意を示している。

また、アストンマーティンが世界耐久選手権(WEC)の2020/2021シーズン参戦に向けて準備中とされる新たな“ハイパーカー規定”のヴァルキリーについては、レッドブルの技術部門社「レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ」が引き続きアストンマーティンと共同で取り組む、としている。

そしてこの発表と前後して、国内外のモータースポーツ専門サイトは「アストンマーティンが来季21年に自チームを擁立してF1へ」という旨のニュースを流している。これは既存のF1参戦チームである「レーシングポイント」を21年からアストンマーティンが名称変更して自チーム化する、という内容だ。

レーシングポイントは、かつてのジョーダン、比較的最近ではフォースインディアの“流れ”を汲むF1チーム。その昨季と今季のドライバーのひとりがカナダ籍のランス・ストロールなのだが、彼の父であるローレンス・ストロール率いるコンソーシアム(共同事業体)がレーシングポイントの資本的所有者とされる。

今回、ローレンス・ストロール(率いるコンソーシアム)がアストンマーティンの株式を約6分の1保有することになったとされ、それらの動きの一環としてレーシングポイントの名称変更による“アストンマーティンF1チーム”化が進められることが明確になったという。ローレンス・ストロール側の主導ではあると見られるが、アストンマーティンが“自チーム擁立”をする格好になる。

来季21年のF1にそういう状況(レーシングポイントがアストンマーティンに名称変更)が生まれるならば、アストンマーティンとレッドブルのタイトルパートナーシップが今季20年限りになるのは道理、といえよう。

レーシングポイントは今季もメルセデス製PUを搭載し、ランス・ストロールとセルジオ・ペレスのドライバーコンビも継続してF1を戦う。今後は、来季21年に向けての“アストンマーティンF1チーム”化の話題でも様々に注目されることとなるだろう(ランス・ストロールのシートは長期的に安泰!?)。

なお、アストンマーティンには最近(1月末)、モータースポーツ関連で別の報道もあった。アストンマーティンのブランド名でマシンを仕立て、昨季のDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦していた陣営「Rモータースポーツ」が今季は参戦しないことを決めた、というもの。

このままアストンマーティンの名をもつマシンが名実ともにラインアップから消えた場合、今季のDTMはアウディとBMWの2メーカーのみの争いになると見られる(この件と直接は関係しない話だと思われるが、昨年11月に富士スピードウェイで開催された「SUPER GT × DTM 特別交流戦」にアストンマーティンは不参戦だった)。

2019年のAston Martin Red Bull Racing《写真提供 Red Bull》 2019年のAston Martin Red Bull Racing《写真提供 Red Bull》 2019年のSportPesa Racing Point F1 Team(写真先頭)《写真提供 Pirelli》 2019年のSportPesa Racing Point F1 Team《写真提供 Pirelli》