新型肺炎対策で病院を新設(1月26日、武漢市) 《photo (c) Getty Images》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

中国湖南省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の情報が止むどころか、中国政府が海外への団体旅行禁止に踏み切るなど、日を追うごとに各方面に影響が広がっている。

日本政府も湖北省武漢市に在留する日本人をチャーター機などあらゆる手段で希望者全員を帰国させる方針を打ち出し、中国政府との調整に入ったという。

きょうの各紙も読売、朝日、産経、東京が1面トップで「邦人帰国へチャーター機、武漢から希望者全員」などと、大きく報じている。日経も「新型肺炎世界経済に影」のタイトルで「週明けの市場は感染拡大が世界経済にどう波及していくか注視する展開になりそうだ」と取り上げた。

武漢には約700人の日本人が滞在。朝日によると「相当数はすでに帰国している」(政府関係者)とみているが、首相自ら「全員帰国」を表明することで、不安を払拭する狙いとみられる、と伝えている。ちなみに、武漢に現地企業との合弁の自動車工場を持つホンダは、邦人の駐在員や家族ら約30人の大半を、政府チャーター機で帰国させる方針を決定。ただ、数人は保守点検のために残るというが、春節期間の現地工場は休業中で、当面は生産に影響はないものの、感染拡大が長期化すれば見直しの心配もある。

心配といえば、中国政府が海外への団体旅行禁止する措置を取ったことで、訪日外国人の3割を占める中国人観光客の流れが止まると、観光産業への影響は甚大だ。この週末に筆者は温泉旅行で箱根方面に出かけていたが、昨年秋の台風被害で箱根登山鉄道が運休中ということもあり観光客は少なめ。そこへ新型肺炎の拡大で中国人らの団体ツアーの宿泊のキャンセルが出始めればダブルパンチの痛手となる。きょうの東京の社会面の見出しのように、国内観光地「この先どうなるのか」不安が募る。

2020年1月27日付

●新型肺炎、武漢在留邦人帰国へ、あすにも、政府チャーター機、患者世界2000人超す(読売・1面)

●中国新型肺炎、団体旅行禁止日本に痛手(読売・3面)

●記者解説、サイバー被害中国の影、三菱電機攻撃「国家ぐるみ」指摘も(朝日・7面)

●ポルシェセンター千葉、オープン(朝日・8面)

●大阪国際女子マラソン、松田(ダイハツ)V五輪前進(産経・1面)

●内閣支持率横ばい48%世論調査(日経・1面)

●「MaaS」普及へ鉄道先行、市場、10年で30倍の試算、トヨタやANAも参入(日経・5面)

●ニュース一言、日本自動車輸入組合、上野理事長(日経・5面)

北京市地下鉄駅の入り口で検温(1月26日) 《photo (c) Getty Images》