トヨタ自動車豊田社長(CES 2020)《photo by Kazuya Miura》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

きょう1月8日午後10時(日本時間)にベイルートで記者会見を開く予定の日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の卑怯な「逃亡事件」も気になるが、国内では経済3団体や自動車関連団体などによる新年祝賀パーティーが、東京都内で開かれた。一方、海を渡った米国のラスベガスでは世界最大の家電IT見本市「CES」が開幕。きょうの各紙は、それらの話題がてんこ盛り。

まず、経済団体では「五輪イヤー期待と不安」(毎日)のタイトルのように「東京五輪・パラリンピックを見据え、景気回復への期待が聞かれた一方、米中貿易戦争の影響や中東情勢の緊迫化を懸念する声もあり、期待と不安が入り交じる年明けとなった」と伝えている。

このうち、自動車メーカーのトップの発言としてはホンダの八郷隆弘社長が2020年のキーワードを「成長に向けた進化」をあげて「自動車業界としいての変革、社内の仕事のやり方など、新しい時代に向けて進化させる」と解説。

朝日にはスズキの鈴木俊宏社長が2020年の景気予測で「曇りのち晴れか雪雨か」と掲載。理由としては「再選を控えるトランプ米大統領の動き次第で大きく変わる。年明け早々の中東・イラン情勢のように、何が起こるか予想が付かない」と説明している。

一方、ラスベガカスでの見本市「CES」では、ソニーとパナソニックが自動車分野の新たな取り組みを発表。トヨタ自動車は自動運転車やロボットを使った都市作りに乗り出すと表明したという。その関連記事の一部は7日の夕刊でも速報していたが、きょうの朝刊でも「ソニー、パナ『未来のEV』、トヨタ『スマートシティー』IT活用新分野」(読売)や「トヨタ『つながる街』構想、ソニーは電気自動車」(毎日)、さらに「スマート都市へ競争加速」(日経)などの見出しが踊る。

見本市CESの開幕前のイベントには、トヨタは豊田章男社長、ソニーは吉田憲一郎社長が出席、それぞれスマートシティ構想や試作のEVなどを披露したという。トヨタ、ソニーなどの海外出張組は「未来の構想」、ホンダやスズキの国内の留守番組は今年の抱負や足元の「景気見通し」を語るなど、まるで同じ業界の経営トップとは思えないような年始めの行動パターンである。

2020年1月8日付

●ゴーン被告妻に逮捕状、地検 特別背任事件虚証容疑(読売・1面)

●ソニー、パナ「未来のEV」、トヨタ「スマートシティー」IT活用新分野(読売・7面)

●ゴーン前会長出国、日産、批判の声、会見前に牽制か(朝日・7面)

●2020年景気経営者予想、五輪後も楽観的な見方、米中・イラン情勢懸念(朝日・9面)

●米新車販売19年も1700万台維持(朝日・9面)

●ゴーン被告きょう会見「事件背後に日本政府」(朝日・33面)

●プライベートジェット機、大型荷物検査義務化(東京・26面)

●経済団体が新年祝賀会、デジタル時代変革急ぐ(日経・5面)

●中国でテスラ人気、中間層も、現地生産車、補助金手厚く(日経・8面)

●ユタカ技研、英工場を閉鎖へ(日経・13面)

ソニーの吉田CEOとVISION-S(CES 2020)《photo (c) Getty Images》