日本一に輝いた岩佐歩夢《撮影 藤木充啓》

鈴鹿サーキットで8日、スーパーFJ日本一決定戦のファイナル(10周レース)が行われ、ファイナルラップで2度トップが入れ替わる激闘を制し、鈴鹿シリーズランキング2位の岩佐歩夢が優勝した。

スーパーFJは鈴鹿サーキットをはじめ、スポーツランドGUGO、ツインリンクもてぎ、筑波サーキット、富士スピードウェイ、岡山国際サーキット、オートポリスで各シリーズが開催されており、年に1度、日本一決定戦が開催される。この日本一決定戦は鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎで交互に開催され、今年は鈴鹿サーキットが舞台。各シリーズの上位を中心に47名のドライバーが鈴鹿に集結した。

7日には2グループに分かれて予選と第1レグ(予選レース)が行われ、ファイナル(決勝レース)のグリッドが決定。その結果、もてぎシリーズ2位の伊東黎明がポールポジション、鈴鹿シリーズ2位の岩佐歩夢が2番グリッド、以下岡本大地、元嶋成弥、中村賢明、入山翔のトップ6となった。10周のファイナルは3番グリッドからスタートした岡本がトップに浮上。岩佐が2位をキープし、元嶋が3位、伊東は4位に後退。ここから岡本は後続を一気に引き離しにかかったが、2周目に西ストレートで多重クラッシュが発生し、セフティーカーランから赤旗中断となった。各車がスターティンググリッドに戻ってくると、トップの岡本の姿がない。なんと燃料系のトラブルでマシンを止めていたのだ。これでトップに立ったのは岩佐。リスタートをうまく決めた岩佐はトップを快走。それを元嶋と伊東が追う展開となったが、5周目に伊東がコースアウトを喫し勝負権を失ってしまった。またこの混乱で7番グリッドから4位まで順位を上げていた、鈴鹿シリーズチャンピオンの澤龍之介が2位に浮上。その後は岩佐と澤の一騎打ちとなり、ファイナルラップまで2台は激しいバトルを展開した。最後のスプーンカーブで接触すれすれのバトルから澤がトップに浮上。その先の130Rはコースアウト車両がありイエローで追い越し禁止となっていたためこれで勝負は決まったかと思われたが、岩佐は最後のシケインでインに飛び込みオーバーテイク。シケインの出口では軽く接触するほど激しいバトルの結果、岩佐がトップでチェッカーを受けた。

鈴鹿シリーズでは澤にチャンピオンを持っていかれたが、その後は鈴鹿サーキット レーシングスクール フォーミュラでスカラシップを獲得、そして日本一の座を獲得と勢いに乗った岩佐は「最後は諦めずにシケインに飛び込みました。この勢いで来シーズンのFIA-F4でもチャンピオンを獲得を目指します」と今後の活躍を誓った。

2位になった澤はよほど悔しかったようで表彰式も終始目を伏せがちの表情。3位には鈴鹿シリーズランキング3位の入山が入り、表彰台は鈴鹿シリーズ上位のドライバーが独占した。

スーパーFJ日本一決定戦結果(トップ10)
1. 岩佐歩夢
2. 澤龍之介
3. 入山翔
4. 元嶋成弥
5. 中村賢明
6. 吉元陵
7. 岩澤優吾
8. 伊東黎明
9. 佐藤巧望
10. 吉田宣弘

スーパーFJ日本一決定戦表彰式。左から2位の澤龍之介、優勝した岩佐歩夢、3位の入山翔《撮影 藤木充啓》 ガッツポーズでウィニングランをする岩佐歩夢《撮影 藤木充啓》 岩佐歩夢(手前)と澤龍之介(奥)のバトル《撮影 藤木充啓》 2位の澤龍之介《撮影 藤木充啓》 3位の入山翔《撮影 藤木充啓》 47台のマシンによる圧巻のスタートシーン《撮影 藤木充啓》