日産自動車、社長就任会見《写真 日産自動車》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)が就任後初の記者会見を行った。お披露目の演出も異色だが、きょうの読売は1面のほか、総合面、さらに経済面にも関連記事を掲載、東京は社説のテーマにも取り上げており、新社長のデビュー会見としては異例の扱いである。

内田新社長の記者会見の会場は、新型車の常設や新車発表などのイベントを行う横浜市の日産グローバル本社ギャラリー。しかもステージには、東京モーターショー2019でも披露した新型の電気自動車(EV)『アリア』のコンセプトモデルと、全盛時代の日産を象徴する『フェアレディZ』を展示。まるで新型車発表さながらの演出だった。しかも、内田氏らが座る椅子もなく、テーブルは質疑応答の時にメモを取るために置かれたたたけで、約1時間、立ったままでの会見だった。

そんな内田新社長のデビュー会見だったが、きょうの紙面では「新生・日産道険し」(読売)や「日産新体制前途多難」(毎日)。さらに朝日も「日産難題抱え新体制」とのタイトルで、急速に悪化した業績の回復や、連合を組む仏自動車大手ルノーとの安定した関係づくりなど、ほかにも懸案も多く、課題山積の中の船出となると伝えている。

会見の中で内田氏が大切にしていることは「尊重、透明性、信頼」の3つの言葉を強調したほか、今年の流行語大賞にも輝いた「ワンチーム」も取り上げた。そのワンチームとは「部下を信頼して権限移譲を進め、役員・従業員全員が会社の方向性を自分事としてとらえる風土を醸成する」と説明していた。

幼少の頃から海外で暮らし、国際経験も豊富で場慣れしているのか、記者の質問にも新社長とは思えない度胸で堂々と応答していたが、1年前に中国で会った時には見られなかった目の下のクマが、社内の風土改革などを急ぐ重圧と心労が重なっているようにも感じられた。

2019年12月3日付

●日産「3社連合進化」内田新社長(読売・1面)

●新車販売も減、10月台風影響(読売・7面)

●パイオニア社長に矢原氏(読売・7面)

●流行語大賞、令和も、タピるもONE TEAM(朝日・26面)

●COP25足並みそろわず、協定離脱の米を横目、中国発言力狙う(産経・3面)

●笹子事故7年「不条理」慰霊式に100人(産経・24面)

●社説・日産新体制、合理化の検討は慎重に(東京・5面)

●ホンダ進化の1年、最終戦2位締め、F1(東京・21面)

●ルノー連携で事業再建、日産新社長、中計見直し(日経・1面)

●欧州車、生産も「CO2ゼロ」排出枠取得、新たな負担に、VW,EV部品会社に義務付け(日経・2面)

●日経平均が年初来高値、中国景気減速懸念和らぐ(日経・19面)

内田新社長《写真 日産自動車》