決算を発表する日産のマー常務執行役員《撮影 池原照雄》

日産自動車は11月12日、2020年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算を発表した。米国事業の再建による販売減や為替の円高などで営業利益は前年同期比85%減の316億円と第1四半期に続いて大幅減益になった。通期予想は下方修正した。

第2四半期のグローバル販売は、7%減の250万1000台だった。海外は中国(1〜6月実績分)が市場の落ち込みより減少幅が少ない0.3%減の72万台と比較的堅調だったが、米国の販売正常化に取り組む北米は7%減の88万台と不調だった。日本は新モデルに切り換えた軽自動車が伸びたものの登録車は苦戦し、全体では1%減の28万台だった。

営業利益段階での損益影響は、販売減や構成比の悪化など販売活動関係で595億円の減益要因となった。さらに、原材料費の上昇や為替の円高、規制対応費用なども合わせて871億円の減益要因になった。また、電動化や自動運転技術とった将来に備える研究開発費の増額や生産費用も209億円の利益圧迫要因となっている。売上高は10%減の5兆31億円、純利益は74%減益の654億円にとどまった。

通期のグローバル販売計画は中国、北米など全地域で見直し、従来比で30万台(5%)少ない524万台に修正した。業績予想は、期首時点から下方修正し、営業利益は800億円減額の1500億円(前期比53%減)、純利益は600億円少ない1100億円(66%減)に変更した。また、5月に公表した今期の年間配当予想は40円だったが、第2四半期での配当は10円と決め、年間は未定としている。

記者会見したスティーブン・マー常務執行役員(12月にCFOに就任予定)は、第2四半期の7〜9月期ついては「第1四半期に在庫の適正化を図って第2四半期のスタートを切り、販売費用(インセンティブ)も削減することができた。(このため7〜9月期は)販売活動で10億円の営業増益を確保できた」と指摘した。第1 四半期では販売活動での営業減益が605億円に及んでいた。

再建を進める米国事業の7〜9月期に関しては台数減で92億円の悪化要因となったものの、販売費用の圧縮で223億円の改善となり、差し引き131億円の増益になった。マー氏は「米国事業はリカバリーに向けた第1歩を踏み出すことができた」と評価した。

日産スカイライン《画像 日産自動車》 日産 デイズ 新型《撮影 雪岡直樹》