横浜ゴムが発表した2019年1〜9月期(第3四半期累計)の連結決算は、売上収益および四半期利益が過去最高となった。
新車用タイヤは、国内では納入車種の切り替えなどにより販売が低調だったほか、海外でも中国で自動車生産の調整が継続したことから引き続き販売が低調で、新車用タイヤ全体の売上収益は前年同期を下回った。
市販用タイヤは、国内では昨冬の暖冬の影響により、年初の冬用タイヤの販売が低調だったものの、春以降は夏用タイヤの販売が堅調だったことに加え、値上げや消費増税に対する駆け込み需要により特に第3四半期の販売が好調で、海外を含めた市販用タイヤ全体の売上収益は前年同期を上回った。
これらの結果、タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回ったが、事業利益は生産量減少に伴う製造原価の悪化、物流関連費用の悪化、為替が円高で推移したことなどの影響により減益となった。
MB(マルチプル・ビジネス)は売上収益、事業利益とも前年同期を上回った。ホース配管事業は海外にて新規の自動車向け受注を獲得するなど好調を維持。工業資材事業では国内外でコンベヤベルトが、ハマタイト事業は国内の建築用シーリング材が、航空部品事業も官需、民需が好調で、各事業とも売上収益は前年同期を上回った。
ATGも農業機械用などオフハイウェイタイヤの販売が堅調で、売上収益、事業利益とも前年同期を上回った。
これらの結果、全体の売上収益は前年同期比1.1%増の4657億円、事業利益は同27.4%減の258億円となった。また、第1四半期に計上した固定資産の売却益などにより、営業利益は同23.8%増の334億円、インドの法人税率引き下げに伴いATGで組織再編時に計上した税金負債を取り崩したことなどから四半期利益は同74.1%増の283億円となり、売上収益、四半期利益は過去最高となった。
通期の連結業績予想は、物流関連費用の悪化や円高に加え、海外を中心とした新車用タイヤの販売が見通しを下回ることから、前回公表予想から下方修正。売上収益6500億円(前回公表予想比1.5%減)、事業利益500億円(同13.0%減)、営業利益575億円(同11.5%減)、当期利益420億円(同8.7%減)とした。売上収益は増収、事業利益は減益となるものの、営業利益、当期利益は増益となる見込みだ。
横浜ゴム、売上高・純利益が過去最高も通期予想は下方修正 2019年1-9月期決算
2019年11月12日(火) 16時45分
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