ZFの新世代AT「エコライフ2」《photo by ZF》

ZFは、10月18日にベルギーで開幕する世界最大のバスモーターショー、「バスワールドヨーロッパ2019」において、新世代ATの「エコライフ2」を初公開すると発表した。

この第2世代の「エコライフ」トランスミッションは、トルクコンバーターやプライマリリターダー、プラネタリーギアセットによる6段変速の基本構成を維持している。そのうえで、多くの技術的改良が施された。ZFによると、さらにスムーズなギアシフトが可能となり、最大2000Nmのトルクに対応し、市バスや都市間走行バスをスムーズに走行させるという。

新型トーションダンパー搭載のトルクコンバーターにより、迅速かつスムーズな変速を実現した。さらなる燃費向上に貢献するアイドリングストップ機能も追加された。トルクコンバーターとトーションダンパーの組み合わせが、エンジン回転数を抑え、燃費向上につながるという。同時にトルクコンバーターは、ドライブトレインへの振動伝達を軽減する。この結果、快適さの向上とともに、摩耗を最小限に抑える。

ギアボックスも改良を受けた。プラネタリーギアセットは、レシオカバレージが5.469から5.727に拡大され、機械的な伝達効率が向上し、全体の効率改善につながった。特殊なコーティングを多板クラッチに施すことで、内部トランスミッションの損失をさらに低減する。

クーリングシステムも改良を図る。トランスミッション背後に設置されたステンレス製ヒートエクスチェンジャーに3個のダクトを統合し、別置きのオイルクーラーを不要にした。その結果、10kgの軽量化とメンテナンスの簡素化を可能にしている。

またZFは、エコライフトランスミッションシステム用の新しいクラウドベースの予防メンテナンスプログラムを開発した。市バスでの使用を想定した「ZFドライブライフ」は、トランスミッションの状態を確実かつ総合的に常時モニターして分析する。

バス事業者とバスメーカーは、予防メンテナンスによってトランスミッションの耐用期間を最大化しながら、コストとダウンタイムを最小限に抑えることができる。同様の予防メンテナンスアプローチは、「TraXon」を搭載した観光バスにも採用されている。この新しい機能によって将来、商用車のデジタル化に対応可能な優れたTraXonトランスミッションシステムを開発していくという。

ZFの新世代AT「エコライフ2」《photo by ZF》