脱炭素型地域交通モデル《画像:REXEV》

e-モビリティベンチャーのREXEVと、電力小売りの湘南電力、神奈川県小田原市は、環境省「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業のうち脱炭素型地域交通モデル構築事業」に採択されたことを受け、小田原・県西エリアで100台の再エネ充電EVによるカーシェアリングを共同で実施すると発表した。

環境省「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業のうち脱炭素型地域交通モデル構築事業」は、脱炭素化への国際的な潮流を踏まえ、技術的なイノベーションを取り入れながら、地域にて脱炭素型の交通モデルを構築し、地域特性を活かした環境・経済・社会の統合的向上を目指すことで、地域循環共生圏の構築を実現する事業だ。

今回採択された事業では、小田原・県西エリアにて、REXEVと湘南電力が連携し、地産の再生可能エネルギーを活用したEVを用いてカーシェアリングを実施する。2020年2月より試験運用を、同年6月より本運用を開始。2022年までの3年間で100台の導入を予定している。また、EVバッテリーの充放電遠隔制御技術と組み合わせることで、地域における再生可能エネルギーの効率的活用と付加価値の創出にも取り組む。

運輸部門の脱炭素化の実現に向けては、自動車の製造から廃棄まで、ライフサイクル全体でのCO2排出量の削減が重要となる。本事業では、EVを用いることで走行時のCO2を、EVのシェア利用で自動車の製造・廃棄に関するCO2を、EVの充電に再エネ由来の電気を用いることで燃料製造に関するCO2をそれぞれ削減することを目指す。

また、EVのシェア利用を行うとともに、そのバッテリーを停車時にはエネルギーマネジメントのエネルギーリソースとして、災害による停電発生時には非常用電源として、それぞれ活用。費用対効果の大きなEV利用のユースケースを作ることで、EV普及促進を図る。同時に、EVの充電を通じた再生可能エネルギーの需要創出、エネルギーマネジメントによる変動電源に対する調整力創出により、エリア内での再生可能エネルギー発電量拡大へ寄与。さらに、新たな移動手段の提供を行うことで、点在する地域資源のつながりの創出や、地域課題の解決にも貢献していく。

地域循環共生圏の概念図《画像:環境省 令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書より》 実施予定場所《画像:REXEV》 脱炭素型地域交通モデル《画像:REXEV》 今後の展望《画像:REXEV》