実証実験車用の電動小型低速車両「AR-04」《画像:ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機は、9月28日から「瀬戸内国際芸術祭2019ひろがる秋」が開催される豊島(香川県土庄町)にて、現地レンタカー会社のカレンスタイル、三井物産と共同で、グリーンスローモビリティ(GSM)によるレンタカー事業の実証実験を開始する。

豊島は、豊島美術館をはじめ島内に点在する芸術施設・作品や島の高台から一望する瀬戸内海の絶景など、人気の観光スポットが多くある人口約800人の島。近年はインバウンド需要の急増もあって、年間の観光客数は約20万人に上り、3年に1度の瀬戸内芸術祭の年の観光客数は約30万人まで増加する。

これに対して、島内を巡るルートや絶景が望める「壇山」の頂上の展望台への道は坂道が多く、観光客が容易に観光スポットを巡回できる移動手段の不足が課題となっており、今回のGSMレンタカーは、この解決手段の一つとして期待されている。

GSMは、20km/h未満で公道を走行する4人乗り以上の電動モビリティ。国土交通省や環境省が、観光客の利便性の高い周遊手段や高齢者の移動のための交通手段の確保を目的として、環境にやさしいグリーンスローモビリティの普及を推進しており、地域の交通課題に応じた実証事業に対して支援をしている。

今回の実証実験では、ヤマハ発動機がゴルフカーをベースとした電動小型低速車両「AR-04 公道走行対応仕様」3台を提供。瀬戸内国際芸術祭の開催期間(9月28日〜11月4日)およびさらに1か月程度、GSMレンタカーの豊島における受容性の把握していく。

ヤマハ発動機は、これまでも小型の電動低速車両(ランドカー)、電動二輪車、電動アシスト自転車などを通じて、楽しい移動の提供や社会課題の解決に取り組んできた。豊島でも、すでにカレンスタイルを通じて電動アシスト自転車「PAS」や電動スクーター「E-Vino」をレンタル車両として納入するなど、地域課題の解決に向けた取り組みに協力をしている。

豊島《写真AC》