トヨタRAV4ハイブリッド《撮影 小林岳夫》

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が9月2日に発表した8月の新車販売統計(速報)によると、総台数は前年同月比6.7%増の38万8600台と、2か月連続のプラスになった。

消費税率の引き上げを10月に控えているが、自動車税で減税措置が講じられることもあり、大幅な駆け込み需要は顕在化しないという展開になっている。このうち登録車は4.0%増の24万2718台と、2か月連続のプラスだった。

登録車の半数近くを占める中大型クラスの普通乗用車が3.9%増の11万4328台と、4月から5か月連続で増加しており、けん引役となっている。また、貨物車も積載量の大きい普通車が32.2%増の1万8670台と、高い伸びになった。これについては事業用車であるため、消費税率引き上げの影響が出ているものと見られる。

登録車のブランド別では、『RAV4』など新モデルが貢献しているトヨタが4.1%増と堅調で、4月から5か月連続でプラスを維持した。ホンダも改良した『シャトル』が好調で14.5%増となり、5か月連続のプラスだった。また、5月に新型『MAZDA3』(マツダ3)を投入して7月に5か月ぶりに増加に転じていたマツダは3.9%減と、再びマイナスになった。日産自動車は16.3%減と、昨年12月から9か月連続での減少となっている。

一方、8月の軽自動車は11.5%増の14万5882台と、3か月ぶりのプラスになった。メーカー別では『タント』を7月に全面改良したダイハツ工業が16.5%増となったほか、ベストセラーモデルの『N-BOX』を擁するホンダは25.9%増と大きく伸ばし、いずれも5か月連続のプラスとなった。スズキは完成検査体制の立て直しにより生産が落ち込んでおり、7.1%減だった。シェアはダイハツが4月から5か月続けてのトップとなった。

国内の新車販売は10月からの消費税率引き上げが迫ってきたものの、全体としてこれまでの増税時のような大きな駆け込み需要は見られず、増税後に反動減があっても軽微にとどまる見通しとなってきた。

ホンダ・シャトル《撮影 宮崎壮人》 ダイハツ・タント《撮影 宮崎壮人》