野左根航汰選手(ヤマハ、7月10日の公式合同テスト)《写真 モビリティランド》

鈴鹿サーキットにて7月24〜28日の間、2018-2019 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第42回大会が開催される。今年初めて観戦する方向けに基礎知識を交えながら鈴鹿8耐について紹介したい。

前述のとおり、今年で42回目の開催となる鈴鹿8耐は日本で最大規模の2輪レースで、日本でも開催される世界選手権(MotoGP日本GP)よりも観客動員数では上回っており、盛り上がりをみせている。80年代から90年代前半までのバイクブームの影響もあり、90年代前半には決勝日だけで15万人以上も来場したほど鈴鹿8耐は夏の一大イベントとなった。その後バイクブームが去り、鈴鹿8耐の集客数は下降していくものの、現在はブームの時代から足を運んでいる観客に加え、若い世代の観客も増え鈴鹿8耐は世代を超えて愛されている。

レース内容は各メーカーが販売している1000ccのバイクをベースにしたマシンでレースを行う。我々が買うことができる市販車でレースが行われるのも身近で親しみやすいポイントかもしれない。しかし操るのは世界中のトップライダー達だ。我々が買えるマシンがメカニックの手によりスーパーバイクに変貌し、世界中のトップライダーが異次元の走りをみせてくれる。耐久レースにもかかわらずスプリントレースを見ているかのような、至るところで激しいバトルが繰り広げられる。5連覇を狙うヤマハ、テストで最速をマークしたホンダ、ライダーラインナップを変え勝負に挑むスズキ、そしてワークス体制となりドリームチームを結成したカワサキ、国内4大メーカーが繰り広げる熾烈な優勝争いに目が離せない。

総合優勝を狙うファクトリー(メーカー直属)チームの優勝争いだけではなく、社会人の有志によるチームの参戦なども見所だ。そして鈴鹿8耐は世界耐久選手権(EWC)のシーズン最終戦でもある。昨年からシリーズ戦に組み込まれた鈴鹿8耐はチャンピオン決定の舞台でもあり、世界王者を目指すチーム達の戦いにも注目してほしい。これまで全5戦中4戦を消化し、熾烈を極めるチャンピオン争い。シリーズに参戦する日本代表チームはF.C.C TSR Honda FranceとWEBIKE Tati Team Trickstarの2チーム。特にF.C.C TSR Honda Franceは去年、鈴鹿8耐で世界チャンピオンを獲得しており、連覇がかかっている。世界を転戦する世界選手権のチャンピオンをかけたバトルも見逃せない。

長丁場で見所も多い鈴鹿8耐の楽しみ方は人それぞれ。まずは応援したいチームを見つけて見るのはいかがだろうか。

高橋巧選手(ホンダ、7月9日の公式合同テスト)《写真 モビリティランド》 ギュントーリ選手(スズキ、7月9日の公式合同テスト)《写真 モビリティランド》 デ・メリオ選手(ホンダ、7月10日の公式合同テスト) 表彰式(2018年)《写真 モビリティランド》 オープニングセレモニー(2018年)《写真 モビリティランド》