ヤマハ YZF-R1M《画像:ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機は、スーパースポーツのフラッグシップ『YZF-R1』および上級モデル『YZF-R1M』をマイナーチェンジし、2019年9月より欧州向けに発売する。両モデルは2020年秋以降に日本での発売を予定している。

今回の改良では、EU5排ガス規制に適合させながら現行モデルと同等の出力を維持し、かつクロスプレーンのリニアリティとトルク感向上を目標にエンジンを開発した。燃焼室とスロットルバルブの距離を短縮するため、シリンダーヘッドを新作したほか、新型インジェクターをバルブ傘裏狙いの斜流噴射にて採用。これらによって、低中回転域の燃焼速度を最適化し、スロットルの開け始めからのリニアリティ感を向上させるとともに、トルク感を一層感じやすい特性に仕上げた。

また、エンジンのフィンガーロッカーアーム式バルブシステムは、アーム形状を見直し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上。レースユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げも果たしている。潤滑系では、コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図ることで、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを低減した。

スロットルバルブ駆動を電子制御するYCC-Tは、従来のアクセル操作をスロットルケーブルで伝達する機械式に換えて、電子式のAPSG(アクセル開度センサーグリップ)を採用。軽量化と優れたアクセル操作感を実現した。
足回りでは、前後サスペンションのセッティングを変更。フロントは路面を掴む感触がライダーに伝わるような接地感とし、ダイレクトで素直なハンドリングと軽快感を実現する。また、前後サスペンションを統合制御するERS(エレクトリックレーシングサスペンション)を備えるYZF-R1Mは、フロントサスペンションにガスシリンダーを追加。ガスによる加圧によりキャビテ―ションを抑制し、減衰力の安定に貢献する。

電子制御システムには、好みや状況に応じた走行支援のため、EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)を追加。個々の制御システムは相互に連動させており、走りを支援してマシンの潜在力を効率よく引き出す。新制御システムに対応し、TFT液晶4.2インチメーターも表示機能を変更。YRC(ヤマハライドコントロール)モード選択など、ライダーの好みをより一層反映できるようになっている。

さらに、優れた空力特性を得るために、カウル形状を一新。上体を伏せた姿勢でライダーがカウルの中におさまるよう走行風の流れをコントロールすることで、空気抵抗特性を現行比で5.3%向上させた。また、軽量コンパクトな新型LEDデュアルヘッドライトを採用。Low/Highビームとも照射特性を最適化し、特にLowビーム時の照射範囲が大きく向上。さらに新デザインのポジションランプとのコンビネーションで、次世代“R”デザインを象徴するフロントフェイスを演出している。

ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1M《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1M《画像:ヤマハ発動機》 ヤマハ YZF-R1M《画像:ヤマハ発動機》