車両下部撮影ユニット《写真 豊田通商》

豊田通商は6月19日、AIを活用した画像解析による車両検査サービスを提供するイスラエルのスタートアップ企業UVeye社へ出資したと発表した。

自動車の外観検査は目視検査が一般的で、検査員によって検査結果にバラツキや、見落としが生じることがある。また、日本国内では労働人口の減少に伴い、検査員のなり手が減少することが予想され、今後車両検査の効率化と省人化のニーズが見込まれる。

UVeye社は、カメラを搭載した車両撮影ハードウェアと、画像から車両の異常を検知するソフトウェアを組み合わせた、車両下部の検査システムを構築。同システムを使った検査診断サービスを世界70か所で提供している。

検査システムでは、撮影ユニットの上を車両が通過すると、車両下部をスキャンし画像データを取得。画像データを3Dイメージ加工し、予め深層学習した異常検出エンジンにより、錆、オイル漏れ、部品欠落などの車両異常や異物などを検出、識別する。車両通過から診断結果までを数秒で完了でき、検査の迅速化と効率化を実現。また、一連の検査・診断を自動化することで、検査結果の信頼性が向上し、車両メンテナンスでの活用や、重要施設入構時の車両セキュリティ検査などへの利用が見込まれる。さらにUVeye社は現在、車両下部の検査だけでなく、車両ボデーやタイヤなども含めた車両全体を一度に検査するシステムを開発中だ。

豊田通商は今回の出資により、UVeye社のビジネスパートナーとして、同社製品とサービスの販売権を取得し、子会社の豊通オートモーティブクリエーションと共同で、自動車業界やセキュリティ業界への販売を中心にサービスの拡販を行っていく。また同時に、自動車業界に限らず、新たな検査サービスをUVeye社と共同開発し、サービスエリアの拡大を図っていく。