フィールド実験の概要《図版 NEC》

NECは5月23日、情報通信研究機構(NICT)と連携して「適応ネットワーク制御技術」を活用して、自動運転におけるリアルタイムな周辺情報を共有するためのフィールド実験を実施し、この技術が自動運転を見据えた安全運転支援に効果があることを確認したと発表した。

自動運転サービスでは、モバイルネットワークを活用して、位置情報やカメラ画像などの周辺情報をリアルタイムに共有することで、衝突を回避し、安全な自動運行を実現する必要がある。しかし、既存のモバイルネットワークでは、各無線基地局に接続する端末の数が増えるほど、端末1台あたりの通信遅延は増加する。通信遅延に影響のある無線品質は端末ごとに異なって刻々と変動するため、自動車が多数集まる交通量の多い交差点などの場所で安定的に通信遅延を抑制することは困難だった。

横須賀リサーチパーク内に通信モジュールを搭載した車両を走行させ、交差点で多数の車両が基地局と接続して通信を行う混雑した状況下、モバイルネットワークで発生する通信遅延を抑制する技術を実験した。

実験の結果、混雑した通信環境下でも、車両に対し通信遅延を抑制した上で車両同士の遅延時間が100ミリ秒以内となるリアルタイムな周辺情報を共有できることを確認した。

これによって混雑した通信環境でも、安全運転支援において安定的、信頼性の高いサービスを提供することが可能になるとしている。

NECは今回の実験に関する取り組みを、5月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレステクノロジーパーク2019」のブースで展示・紹介する。

フィールド実験のシナリオ《図版 NEC》 横須賀リサーチパークにおけるフィールド実験の様子《図版 NEC》