ルノー日産三菱、新しいアライアンスオペレーティングボードを創設

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。

「将来に向けた取り組みに集中し、今日の会見のポイントではない」。仏ルノーのジャンドミニク・スナール会長は、資本構成の変更や経営統合についての質問には繰り返し言及を避けるなど、当面は3社連合の提携強化に取り組む姿勢を強調した。

また、もう一つの焦点となっていた日産の会長職について、スナール氏は「なろうとは思っていない」と、自らの就任を否定した。3社の会長職などを解かれたカルロス・ゴーン被告に権限が集中していたことから「脱ゴーン」を鮮明にする考えをアピール。元外交官の父と貴族出身の母という育ちの良さからなのか、品格ある人柄も手伝って終始融和ムードを演出していたのが印象的だった。

日産自動車、ルノー、三菱自動車のトップによる共同記者会見が、横浜市の日産本社で行われ、3社連合の将来に向けた戦略を決定する、新たな意思決定機関の設立を発表した。

きょうの各紙も、読売と日経が1面トップで掲載。このうち、読売は「日産・ルノー・三菱自、3社連合合議制に、トップ4人が新会議、スナール氏日産代表権」などと大きく取り上げたほか、関連記事を2面、3面、8面、9面、38面に掲載。3社連合以外のニュースは紙面の片隅になるなど、異例の報道ぶりである。

日経は「日仏連合棚上げ」とのタイトルで「3社連合の争点を棚上げし、合議による関係再構築を急ぐ」と報じている。また、関連記事としては「3社連合猶予なき再出発」として、「元会長逮捕による4か月の空白が生んだ出遅れは大きい。資本関係などグループ内の課題はとりあえず脇に置き、協業維持を優先。火種を抱えたまま新たな一歩を踏み出す」と伝えている。

読売と日経以外の各紙の1面の見出しを比べると、朝日、毎日、産経は、焦点の日産の会長職について、スナール氏が否定したことを大きく取り上げている。もっとも、3社連合の新組織のアライアンス・ボードの構成は、議長を務めるルノーの会長と、3社のCEOがメンバーであり、現時点で日産の会長は含まれない。つまり、日産の会長はいわば名誉職のようなポストであるならば、しばらくは「空席のまま」というのも選択肢だろう。

2019年3月13日付

●日産・ルノー・三菱自、3社連合合議制に、トップ4人が新会議、スナール氏日産代表権(読売・1面)

●「水素」普及へロードマップ、経産省(読売・8面)

●「インフィニティ」英生産停止(読売・9面)

●JAXAとトヨタ構想、月面探査燃料電池車で(読売・38面)

●ホンダ、ベア月1400円で妥結、前年より300円減、ボーナスは満額(朝日・9面)

●独VWグループEV70種投入へ、28年までに(朝日・11面)

●ゴーン前会長「日産、心配」記者会見へ「時間ほしい」弁護団会議(朝日・38面)

●日航・ANA LCCで激突、来年ともに子会社が国際線中距離へ(産経・9面)

●走行中車内に「アバター」現る、日産・ドコモが実証実験(産経・9面)

●トヨタの未来、自動運転の活路、「守護神」他社と共存の道、安全を「二重チェック」(日経・35面)

●トラックやバス1.2万台リコール、ふそう、ブレーキ不良で(日経・38面)

ルノーのジャンドミニク・スナール会長 ルノー日産三菱、新しいアライアンスオペレーティングボードを創設 JAXA×トヨタ、有人与圧ローバ 英国サンダーランド工場で生産されるインフィニティQ30