今回は後ろのスープラの引き立て役です!!センチュリーGRMN(黒い方)大阪オートメッセにも登場。《撮影 中込健太郎》

東京オートサロン2019に引き続き、大阪オートメッセ2019にも登場した黒いトヨタ『センチュリーGRMN』。トヨタブースの話題の中心は『GRスープラ』だ。センチュリーGRMNの説明担当者は、「センチュリーは前座、引き立て役ですね」と話す。

「今までアフターマーケット任せだった部分にもメーカーが意識して取り組む、と、投じた一石という意味では甲斐はありました。来場者の反響は大きく、『ええやん、これ!』『これ買えないの? いくら?』といった声を多数いただきました」

「正直、社の内外で賛否両論あります。そもそもセンチュリーでGRMNを設定してどうなのか、という話自体ありました。例えばパーツでは、エンブレムの位置も悩んだ末の結果です」。センチュリーのエンブレムとGRMNバッジ、これらのフロントグリルの中での「共存のさせ方」一つとっても、デザイナーがかなり思索した末にできたカタチなのだ

テールエンドにも、これまた賛否両論あったというリアスポイラーが装着されているが、これは『LF-A』も手掛けたトヨタの「カーボン職人氏」が手掛けた逸品だそう。グリルもアルミの削り出しをアルマイト加工した一点ものだ。パーツごとに金額を設定したら相当な金額になることは間違いないが、オールトヨタの想いで発案、トヨタが持つリソースを惜しみなく投入された「プライスレス」なセンチュリーなのだ。

ちなみに白い個体は主に首都圏地区で、黒のこの個体は愛知県エリアで、トヨタ自動車幹部の移動用に供されているという。「年初の恒例になっている交通安全祈願、今年はこれでお参りしてきたようです」。

このセンチュリーGRMNが思わぬ波及をもたらした。「実はナンバーが、2台とも『1867』です。これはトヨタグループの創始者、豊田佐吉の生まれた年なのですが、これを見たいくつかの会社の経営者が、自社のクルマのナンバーも創業年や創業者・経営者の生まれ年にしよう、と。企業の伝統・誇りがクルマに乗る。私たち自動車メーカーとしてはうれしいですね」とのこと。

「実は、他のメーカー系のカスタマイズ社の幹部が見て、ほめて頂けたのが、けっこう嬉しかったです」と、担当者が浮かべた笑みが印象的だった。

そもそもセンチュリーでこれをやるのはどうなのだという話はあったという。《撮影 中込健太郎》 アルミ削り出してアルマイト加工を施した網目。このエンブレムとバッジの位置もかなり悩んだという。《撮影 中込健太郎》 メーカー謹製らしからぬ押出の強さと完成度の高さの共存。今回のオートメッセ、メーカーブースの一つの傾向かも。《撮影 中込健太郎》 絶妙なキャラクターラインなど、伝統も残るセンチュリーで投げた一石。カメラに収める人の姿は後を絶たない。《撮影 中込健太郎》 BBSホイールとアドバンスポーツ。サマになっていればいいだけでここに収まっているわけではないことは想像に難くない。《撮影 中込健太郎》 「ドイツのあるチューナーでカスタムしたショーファーカーが他車でありましたね」と話しかけたら、ブース担当者は嬉しそうに「あれの後継ですね」と言う。クルマがらみで面白いことをする、そのためにトヨタができることはできるだけのことをしていく。そんな雰囲気を感じた。《撮影 中込健太郎》 レクサスLF-Aを手掛けたトヨタのカーボン職人さんが手掛けたというリアスポイラー。名刀何某と言いたくなる美しさがある。《撮影 中込健太郎》 豊田佐吉の生年だというナンバー。トヨタの日本へ、そして日本経済界へのエールなのかもしれない。《撮影 中込健太郎》