キャストが製造・販売する「パワーブレード」《撮影 山田清志》

雪が降ったときに大変なのが雪かきだ。しかも、それが広い敷地だとなおさらである。そんな時に便利なものを「オートモーティブワールド2019」で発見した。それはキャスト(本社・福島県白河市)が製造・販売する「パワーブレード」だ。

フォークリフトの先端に取り付けるだけで、たちどころに除雪車に早変わりする。「慣れれば一人で1〜2分でつけることができます。初めての人でも5分ほどでできると思います」と同社関係者。なにしろフォークリフトの爪でブレードを刺し、付属のベルトと金具で固定するだけなのだ。

同社は鋳物メーカーで、主に産業用ロボットや土木・建設機械関連の鋳物を製造している。本社のある白河市は雪国のように大量の雪は降らないものの、年に数回雪が積もってしまうことがある。そんな時は、社員総出で敷地やその周辺の雪かきを行っていた。

「そんな時に、うちの鋳物技術を使えば、いいものができるのではないか、と、2年がかりで開発しました。鋳物の一体成形なので、強度があり、耐久性にも優れています。また、下部の刃は取り替えることができるようになっています」と同社関係者は説明する。

価格は25万円なので、お買い得と言っていいかもしれない。というのも、業者に雪かきを依頼すると、広い敷地ともなると1回10万円も取られる場合があるからだ。しかも、普段はフォークリフトとして使えわけだ。

すでに同社のところには、倉庫業者、工場、スーパーなどから引き合いが相次いでいるそうだ。先日も八王子の業者から注文があったという。