高度な自動運転実現に向けて自動運転車両の安全確保に必要な制度のあり方についての報告書の概要

国土交通省は1月15日、高度な自動運転実現に向けて自動運転車両の安全確保に必要な制度のあり方についての報告書を発表した。

国土交通省では交通政策審議会の下に小委員会を設置し、自動運転車などの設計・製造過程から使用過程にわたる総合的な安全確保に必要な制度のあり方について検討し、今回報告書をとりまとめた。

報告書によると、自動運転車の安全性を担保するため、「自動運転車の搭乗者及び歩行者等の周囲の交通参加者に危険を及ぼすおそれのないものであること」といった自動運転システムの保安基準を策定すべきとした。自動運転車が走行可能となる速度・ルート・天候・時間など、条件を国が妥当性について確認すべきとした。

自動車の安全性に大きな影響を及ぼすソフトウェアの配信については、国が適切性を確認する制度の創設を提言した。

点検整備では、自動ブレーキのカメラの取り外しなど、装置の作動に影響を及ぼすおそれのある整備・改造を新たに「分解整備」の対象とし、「特定整備」(仮称)とするとともに、これを行う事業者を認証するべきとした。先進技術の点検整備に必要な技術情報が、整備事業者へ提供されるよう制度・環境を整備することも提言した。

また、国は、自動運転車の検査に必要な技術情報を一元的に管理し、検査を実施する者に提供される仕組みを構築することも求めている。

リコールについては迅速な実施に対する社会要請に応えるため、自動車メーカーなどは強制的なアップデートについてユーザーから事前同意を得るとともに、必要な情報提供を行うべきとした。

国土交通省では、報告書に基づいて必要な制度整備を着実に推進していく方針。

高度な自動運転実現に向けて自動運転車両の安全確保に必要な制度のあり方についての報告書の概要