ヤマハ発動機 袋井南工場の生産ライン。年14万基の船外機を生産している《撮影 小松哲也》

ヤマハ発動機は、船外機の主力生産拠点である袋井南工場(静岡・袋井市)の生産能力を今後3年間で最大15%引き上げる。世界的に船外機の需要が拡大していることに対応するもので、とくに船艇の大型化に伴い伸長している大型船外機の生産能力を増やす方針。

ヤマハの袋井南工場では2017年に約14万基の船外機を生産したが、マリン事業本部ME事業部の松下徹ME製造部長によると「近年はプレジャーボートの大型化に伴い大型の船外機の需要が伸びており、工場の操業負荷が高まっている。生産能力を高めるために計画的に設備投資を行っているが、なかなか需要の伸びに追いついていないのが現状」という。

このため「2019年から2021年の間に袋井南工場の生産能力を10〜15%まで段階的に引き上げていく」計画だ。とりわけ「ネック行程になっている鋳造、加工部分での設備投資をメインに行う」としている。

ネック工程に関しては「2018年下期から2直からフル3直、土日も連続操業に変えた」ことで、生産能力を10%引き上げたが、鋳造部品などを供給している協力工場も含めた設備投資を今後3年間に行うことで、さらに最大15%拡大することにした。

ヤマハは先日公表した2019年から始まる新たな中期経営計画で、マリン事業の高収益体質の強化と持続的成長基盤の確立のために、船外機グローバル生産レイアウトに取り組み、生産の能力とフレキシビリティを向上させる方針を打ち出している。

ヤマハは現在、船外機を袋井南工場のほか、熊本、タイの3拠点で生産している。このうち袋井南で中、大型機を、熊本は小型および中型機、タイでは6馬力以下の小型機の生産を担っている。松下ME製造部長は「新中計では、袋井南で生産している機種の中でも小さいものを熊本に、また熊本からタイへも小さいものを移すことで、全体の稼働率を最適にしながら袋井南工場の余力をつけて大型機の生産を増やす」との方針を示していた。

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