ゴーン容疑者

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年12月4日付

●ゴーン容疑者報酬年々増、不記載9年で95億円(読売・1面)

●革新機構の高報酬認めず、年5500万円、経産省、世論に配慮(読売・10面)

●仏での高額批判懸念? ゴーン前会長報酬過少記載。ルノーとのバランス考慮か(朝日・3面)

●「波問風問」、巨額報酬「ゴーン・ショック」で終らせるな(朝日・7面)

●あおり運転4回割込み、初公判、車間4メートルまで接近(朝日・31面)

●日産、新会長候補を選考、きょう初会合、取締役から絞り込み(毎日・6面)

●スバル「完成検査部」新設、不正防止製造部門から分離(毎日・6面)

●バス運転手、意識失い、後絶たぬ事故(毎日・24面)

●ゴーン容疑者再逮捕へ、過少記載疑い、直近3年、40億円、地検特捜部(産経・1面)

●日産新車好調も減速懸念、ゴーン容疑者逮捕、11月、42%プラス(産経・11面)

●「緯度・経度」、ゴーン事件とフランス病(産経・8面)

●中日産業技術賞、本田技研などに、HV車新モーター開発(東京・7面)

●景気回復最長へ正念場、賃上げ効果で下支え(日経・4面)

●カタール、OPEC脱退(日経・1面)

●タイで「リーフ」発売日産、東南アジアでEV初投入、充電設備には課題(日経・11面)

●パーク24、営業最高益、前期駐車場・カーシェア成長(日経・17面)

●流行語大賞「そだねー」(日経・38面)

ひとくちコメント

今年話題になった流行語大賞に「そだねー」が選ばれたが、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の逮捕がもう少し早い時期であれば「ゴーン・ショック」とか「報酬過少記載」などがノミネートされたのではないだろうか。

流行語大賞はともかく、「ゴーン逮捕」から2週間が過ぎて、きのうは「ようやく1面からはその関連のニュースが消えた」と伝えたばかりだが、きょうは再び読売と産経がそろって1面トップで掲載。収束するどころか、取材合戦が一段とエスカレートしているようだ。

このうち、読売は、2009年3月期以降のゴーン容疑者の報酬の詳細について「報告書の不記載分を含めると、実際の報酬はほぼ毎年右肩上がりに増額、不記載分は、役員報酬の個別開示制度が始まった10年3月期から直近の18年3月期までの9年間で、計約95億円に膨らんでいた疑いがある」と報じている。

さらに、報酬の詳細は、ゴーン容疑者の指示で前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者らが作成した「覚書」などに記されていたという。

産経も同様の内容だがタイトルはズバリ「ゴーン容疑者再逮捕へ」。逮捕容疑の2010〜14年度分の約50億円とは別に、15〜17年度の直近3年分でも報酬を約40億円過少に記載した疑いがあるとして、「東京地検特捜部が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑でゴーン容疑者と、側近で前代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者を再逮捕する方針を固めた」と伝えている。

再逮捕の時期については「勾留期限の10日にも再逮捕する」とみており、再逮捕により最長で12月30日までの計40日間に延びる公算が大きくなったようだ。

そんな中、毎日などが、前会長のゴーン容疑者の後任会長候補を選ぶ委員会の初会合がきょう開かれ、後任会長は7人の現役取締役の中から絞り込む、と取り上げている。ルノーは独自の後任会長の指名を申し入れ、日産が拒否した経緯があり「調整が難航する可能性もある」(毎日)とみているが、無用な派閥抗争を避けるためにも暫定的に西川廣人社長の兼任が妥当な見方ではないだろうか。

西川社長