堤優威

賞金総額8万ドル(約900万円)、世界一のロードスター乗りを決定する「2018 グローバル マツダ MX-5カップ チャレンジ」が11月10〜11日(米国時間)にセブリングインターナショナルレースウェイ(米国フロリダ州)にて開催された。

同大会は2レース制の合計ポイントで世界一を決定。今シーズンの米国シリーズチャンピオン ニッコー・リーガーをはじめ、チャンピオン経験を持つネザニアル・スパークス、ジョン・ディーンII、トッド・ラムの3選手や、米国シリーズで最年少優勝記録を打ち立てた14歳のルーキー、ロバート・ノーカー、多方面で活躍する女性レーサー、アシュトン・ハリソンなど17名に日本代表の堤優威、吉田綜一郎を加えた19名で競われた。

決勝レース1は、10日16時過ぎにスタート。堤はスタート直後からトップ集団の中で走り、次第にポジションを上げて3位でレース中盤を迎える。残り20分でリーガーがミッショントラブルで脱落する一方、堤はペースを上げて2位に浮上。13周目にはファステストラップを刻んだ。堤はその後もディーンIIの背後にピタリとつけ、後続に割り入る隙を与えない。そして迎えた最終ラップ、力を溜めていた堤は、最終コーナーで果敢にディーンの内側に飛び込み、十分加速の余力を残してトップでストレートに向かい、トップでチェッカードフラッグを受けた。吉田は予選でヒットされた影響が残り、11位でレースを終えた。

翌11日朝の決勝レース2、2番グリッドからフォーメーションラップを走り出した堤は、ポールポジションスタートのディーンIIに食らいついていくが、背後からは速い集団が堤の隙を狙っていく。堤とディーンIIは、互いに牽制しながら序盤を走行したが、5周目の第1ターンでイン側をとった堤が、続く第3ターンでディーンをかわし、トップに立つ。しかし、直後に姿勢を乱したディーンIIがグラベルに車体を落とし、コースに戻る反動で堤の右サイドをヒット。堤はスピンしてコースオフし、ディーンIIともどもチャンピオンの可能性を失ってしまう。

レースはその後、ラム、セリン・ローラン、スパークスらがトップ集団を形成し、接近戦を繰り広げる。吉田は、リーガーの直後を走り、上位進出のチャンスをうかがう。堤は復帰したが、マシンにダメージがあるのか、ペースが上がらない。レースは、45分後の最終コーナーで、インを取ったスパークスが一躍首位に躍り出て、トップチェッカー。2度目のグローバルMX-5カップ 世界王者の座を射止めた。吉田は8位入賞、堤は15位で完走を果たた。

レースを終えた堤は、「悔しいの一言です。スピンしたときは納得できないと思いましたが、あのスペースにいた自分にも落ち度があったと考えています。第2レースでも第1レート同様に優勝して世界一のタイトルを取りたかったですね。ただ、自分の速さは十分アピールできたと思いますし、来年また、チャレンジして世界一を獲得したいと思います」と語った。

一方、吉田は「とても良い経験になったし、クリーンでいいレースができたと思います。近い将来、アメリカで活動ができるようにしたいという気持ちがより強くなりました」とコメントしている。

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