見通しの悪い交差点で、手押しの介助を受けながら横断歩道を渡っていた車いすに対し、交差点を右折してきた乗用車が衝突した。この事故で車いすに乗っていた男性が意識不明の重体となっている。

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9日午前7時45分ごろ、岡山県倉敷市内の市道で、車いすに乗って横断歩道を渡っていた男性に対し、交差点を右折進行してきた乗用車が衝突する事故が起きた。男性は重体。介助をしていた別の男性にケガはなかった。

岡山県警・児島署によると、現場は倉敷市児島味野付近。交差点に横断歩道はあるが、信号機は設置されていない。68歳の男性は車いすに乗り、介助する65歳の男性が押しながら横断していたところ、交差点を右折進行してきた乗用車が衝突した。

衝突によって車いすは転倒。乗っていた男性は近くの病院へ収容されたが、頭部強打で意識不明の重体。介助していた男性にケガはなかった。クルマを運転していた同市内に在住する39歳の女にケガはなく、警察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕している。

現場は見通しが悪い区間。聴取に対して女は「前をよく見ていなかった」などと供述しており、警察では前方不注視が事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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現場は交通量が少ないものの、周囲を建物に囲まれて見通しが悪い区間となっている。クルマは安全確認をしないままに漫然と右折してきたとみられ、車いすは衝突の衝撃で中破していたという。見通しの悪い区間においては「横断者がいるかもしれない」という予測が必要となるが、「横断者なんていないだろう」という判断をしてしまうとこのような事故に直結してしまう。