VW I.D. Rパイクスピーク

フォルクスワーゲンは6月16日、英国で開催された「グッドウッドフェスティバルオブスピード」のヒルクライムにおいて、EVレーシングカーの『I.D. Rパイクスピーク』がEVの最速記録を達成した、と発表した。

I.D. Rパイクスピークは、6月に米国コロラド州で開催されたパイクスピーク国際ヒルクライムの優勝マシン。フォルクスワーゲンは1987年以来、31年ぶりにパイクスピーク国際ヒルクライムにワークス体制で参戦。そのために開発したI.D. Rパイクスピークには、モーターを2個搭載。最大出力680hp、最大トルク66.3kgmを引き出す。カーボンファイバー製のボディは、車両重量が1100kg以下。軽量ボディと高性能モーターの組み合わせが、0〜100km/h加速2.25秒の性能を備える。

I.D. Rパイクスピークには、市販EV同様、リチウムイオンバッテリーを搭載。必要とされる電気エネルギーの約20%は、パイクスピークのおよそ20kmの走行中に生み出される。ブレーキング時に発電機として作動する電気モーターが、制動エネルギーの一部を電気に変換して、バッテリーに供給する。I.D. Rパイクスピークはパイクスピーク2018の決勝レースにおいて、ロマン・デュマ選手のドライブにより、初めて8分を切る7分57秒148の新記録で優勝している。

今回、このI.D. Rパイクスピークが、グッドウッドフェスティバルオブスピードのヒルクライムに出走。同じくロマン・デュマ選手のドライブにより、およそ1.9kmのコースを43秒86のタイムで駆け上がった。

このタイムは2013年に記録したEVによる最速記録の47秒34を、3秒以上短縮するもの。1999年にF1 マシンのマクラーレンメルセデス『MP4/13』が達成した41秒6のグッドウッドヒルクライムの最速記録にも、およそ2秒差まで迫るタイムとなっている。

VW I.D. Rパイクスピーク