デンソー高棚製作所「TAKATANAファクトリーツアー」《撮影 大野雅人(GazinAirlines)》

「部品メーカーは地味で、一般の人たちになかなか見てもらう機会がない」。そんな思いから具現化し、7月23日にスタートするデンソー高棚製作所「TAKATANAファクトリーツアー」。体験してみて、その生産現場のライブ感が伝わってきた。

愛知県刈谷市に本社をおくデンソーは、東京、名古屋、大阪、広島のオフィスのほか、安城、西尾、高棚、大安、幸田、豊橋、阿久比、善明、湖西、豊橋東、東広島など10を超える製作所をかかえる。

1974年に操業を開始した高棚製作所は、メーターをはじめ、ディスプレイ、ナビシステム、ミリ波レーダー、画像センサ、パワーモジュール、各種センサなどを生産。敷地面積は37.5万平米、東京ドームが8つ入るほどの広さ。

この敷地のなかに、501・502・503・504と番記された工場が入り、その間を埋めるように研究センター、体育館、サッカー場、野球場、ホール、食堂、原動建屋、資源ステーション、排水処理場、ビオトープなどが組み合わさる。

今夏新設されるTAKATANAファクトリーツアーは、この4つの工場のなかでも最も大きい501工場を見学。501工場は、Aからアルファベットで区切られたエリアが整然と並び、今回の見学ではAからHまでの区分けを確認できた。

搬入通路には、自動運転によるポーターがゆっくりと動き回り、中央には「HUD」や「RTC」といった表記のエリア。そこでは男女生産スタッフがヘッドアップディスプレイなどを手にし、細部をチェックする姿が確認できた。

同社のメーターは、素材から完成品までの加工・組み立てを一貫生産。この見学では、メーター枠の成形や、文字盤の印刷、最終的な組み立てまでの動きをモニターなどで確認できる。

また、多品種少量生産にも対応する「セルライン」の動きも501工場で見ることができる。セルラインでは、U字型にレイアウトされた卓上で、セル単位で動く生産スタッフたちの姿がわかる。

「遠目でしか確認できない」といった声にも応えるべく、工場見学ルートの途中にはライブビジョンも設置。組立ラインに設置したカメラが、生産スタッフたちの手元を映し出し、そのリアルな動きをモニターで確認できる。

また、ホワイトで統一したメーター工場見学通路やプレゼンテーションルームは、自動車のメーター機器類の歴史がイラストや実機で見せる展示も。アナログからデジタルへ、ヘッドアップディスプレイへと遷っていくメーターの進化を体感できる。

6月27日には、TAKATANAファクトリーツアー開所式が行われ、デンソー岩井一浩常務役員、同 武内裕嗣常務役員、同 都築昇司専務役員、安城市 神谷学市長らが登壇。「デンソーでは、『工場は生き物』と認識している。毎日、改善しているので、刻々とラインも変わっていく。1度だけでなく、何度も見学してもらって、こうした進化も感じてほしい」とも伝えていた。

TAKATANAファクトリーツアーは、7月4日からインターネットで受付開始。ツアー参加者むけに、JR東海道線刈谷駅と高棚製作所とを結ぶ無料送迎シャトルバスも運行を開始する。

<取材協力:デンソー>

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