中国の新興EVメーカーであるBYTON社は、6月13日から開催されたCESアジア2018において同社2番目となるEVコンセプトカー『K-byte Concept』を披露した。13日には同社代表によるキーノートスピーチを開催し、広い会場を埋め尽くす多くの来場者を集めた。
K-byte Conceptは、将来的にレベル4の自動運転を可能とした電動サルーンで、4年以内に中国をはじめ、アメリカやイギリスなど欧米でも発売が予定されている。このクルマの注目点は、車両にLiDARを組み合わせた自動運転システムを搭載したことで、システムは自動運転の開発で知られるオーロラ社との共同開発。2019年にはレベル3の自動運転を実現し、2020年にはレベル4を実現するとしている。
見逃せないのは天井に搭載したモジュール「BYTON LiBowシステム」で、フロントとリアにLiDARを組み合わせ、車両周辺をパノラマでスキャン。サイドに取り付けたLiDARは収納式で、歩行者や駐車操作中の自動運転に役立てるという。これらのLiDARは、クルマのデザイン上からすれば外に突き出た感じとなるが、BYTON社では「これが自動運転の一つのアーキテクチャーになり得る」とし、無理矢理これを隠す必要はないとしている。
K-byteのボディサイズは全長4.95m×全高1.5m×全幅1.95mで、ホイールベースは3m。フロントグリルは、「スマート・サーフェス」と呼ばれる映像を表示できるユニークなもので、外部との様々なコミュニケーションに役立ちそうだ。ダッシュボードは幅1mにも及ぶタッチスクリーンで覆われる他、ステアリングには操作パネルとなるタブレットが組み込まれる。また、顔認証によるIDシステムを備え、bai-du(百度)と共同開発したジェスチャーコントロールや音声アシスタントなどあらゆる先端技術を活用する。これらはM-byteと共通スペックになるという。
パワートレーンは「最新の電動パワートレーン技術開発の成果を反映させた」としており、ラインナップは容量別に二つのバッテリーを搭載したモデルを用意し、小容量の方は後輪での2輪駆動となり、大容量の方は全輪駆動となる。小容量バッテリーはフル充電で400kmを走行することができ、大容量バッテリーでは520kmもの走行が可能だ。共に30分で80%までの急速充電が可能になるという。
BYTON社は中国・南京市に本拠を置くスタートアップ企業で、BMW出身のエンジニアが2017年に立ち上げた。幹部には日産やアップルで経験を積んだ人が集まっていると伝えられており、その意味でも今もっともホットな自動車業界の話題とも言える。中国の自動車大手である第一汽車(FAW)が中心となって出資し、既に500億円もの資金を集めたという。工場を南京市に準備し年産30万台の規模となる予定だ。
レベル4自動運転をめざす中国 BYTON のEVセダン…CESアジア2018
2018年06月15日(金) 07時45分
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