クルマの運転方法を巡って立腹した男が、相手の車両を追跡してガソリンスタンドに入り、そこで相手の胸倉をつかむなどの暴行を加えたとして逮捕された。ブレーキ操作が原因とみられるが、双方とも言い分は食い違っているようだ。

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12日午後6時ごろ、熊本県合志市内の国道387号沿いにあるガソリンスタンドに立ち寄った男性と、男性のクルマを追いかけてきたクルマの運転者が口論となった。交通トラブルが原因とみられ、警察は追いかけてきた男を逮捕している。

熊本県警・熊本北合志署によると、現場は合志市御代志付近にあるガソリンスタンド。同市内に在住する43歳の男性は軽乗用車を運転しており、給油するためにこのガソリンスタンドへ立ち寄ったところ、男性のクルマを追跡するように走行していた乗用車も入ってきた。

乗用車を運転していた男は降車するなり、男性の軽乗用車へ接近。開けていた窓から腕を入れ、男性の胸倉をつかみ上げるなどの暴行を加えた。そのまま口論となったが、通報を受けた同署員が現場へ急行。男を暴行の現行犯で逮捕している。

警察の聴取に対して男は「突然ブレーキを掛けられたことに立腹した」などと供述。暴行については関与を否認しているようだ。これに対して被害を受けた男性は「男のクルマが煽っているような気がして、2回ほどブレーキを掛けた。車間を取ってもらうつもりだった」などと説明しており、状況には違いがあるようだ。

警察では運転方法を巡る交通トラブルが事件につながったものとみて、両者からさらに事情を聞くとともに、周辺に設置された防犯カメラ映像の分析も進めるなど、事件発生の経緯を詳しく調べている。

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事件の発端となったのは煽り行為とみられる。後方の車両としては「急ぎたい」という気持ちが車間を詰めさせることなるのかもしれないが、前にいる側としては「煽られている」という思いになるだろう。注意喚起の意味でブレーキを掛けたとみられるが、このブレーキが相手の怒りを加速させてしまったようだ。

急いでいるのであれば「腹が立っても相手をせず、そのまま先を目指す」というのがベストであるが、「一言でも文句を言いたい」という気分になるとこうした事件に発展してしまう。

原因や理由がどうであれ、事故を伴わない最近の交通トラブル事案では「先に手を出した方が検挙されることが多々」なので、そうしたことからも怒りの感情をコントロールすることが必要となる。