VRで人間をミニチュア自動車の車内にテレポートするエヌビディアのデモ

エヌビディア(NVIDIA)は6月4日、台湾で開催した 「GPUテクノロジーカンファレンス」において、VR(仮想現実)を使って、人間をミニチュア自動車の車内にテレポートするデモンストレーションを行ったと発表した。

今回のデモでは、プロジェクトの主任エンジニアをバーチャルに縮小。実際にはステージ横にいるエンジニアが、会場の上の階に用意された小さな街並みシミュレーションの中に置かれた4分の1スケールの自動車の車内へ、テレポートされた。

エンジニアは、自動車を運転するためにVRヘッドセットを装着。車載センサーからのライブフィードによって更新される自動車の周囲環境を含む高精細シミュレーションの中に入った。エンジニアは、ステアリングホイールを回したり、ペダルを踏んだりしてドライブバイワイヤーシステムを遠隔操作しながら、小さな街の小さな通りを運転して回ることに成功している。

その仕組みは、リアルタイムセンサー信号を利用して、リモートドライバーが自動車をリアルタイムコントロールできるVR環境を構築するというもの。その結果、ドライバーには自分の体が縮小し、ミニチュア自動車の運転席に座っているような感覚が得られるという。

エヌビディアは今回のデモについて、高性能センサーと没入型VRを活用することで、人間とマシンが協力して地下深部の坑道を移動したり、農作物を育てたり、衛星や宇宙ステーションを修理したり、地震帯などの危険地域で救助活動を行ったりすることができる未来を示すもの、としている。

VRで人間をミニチュア自動車の車内にテレポートするエヌビディアのデモ