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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2018年5月31日付

●ガソリン上昇150円台、3年5か月ぶり、中東情勢に警戒感(読売・8面)

●車新関税、米に懸念伝達、きょう日米欧担当相会合(読売・9面)

●神鋼近く本格捜査、品質データ改ざん虚偽表示の疑い(朝日・1面)

●経団連新会長「政権に直言」きょう就任、協調路線は堅持、日立会長・中西氏(毎日・7面)

●40年の関係アピール、パナソニック、北京に「松下記念館」(毎日・7面)

●欧州SUV価格抑制、日本投入30〜40代狙う(毎日・7面)

●東証続落339円安、伊混迷響く(産経・1面)

●EV急速充電、日中が協力へ(産経・10面)

●実用性充実広がる選択肢、電気自動車(産経・10面)

●ランキングで読む日本株式会社、自動車大手、減益額大きく(日経・17面)

●銘柄診断、マツダ2か月ぶり年初来安値、米関税上げ検討重荷(日経・18面)

●空飛ぶ消火ロボ、東北大、水の力で浮上、建物の中へ(日経・38面)


ひとくちコメント

レギュラーガソリンの全国平均の店頭価格が、3年5カ月ぶりに1リットルあたり150円を超えたという。石油情報センターが委託調査した結果を資源エネルギー庁が発表したもので、きょうの各紙も「ガソリン150円超、3年5か月ぶり」と、1面などで大きく報じている。

それによると、レギュラーガソリンの全国平均が5月28日時点で6週連続で値上がりし、151.0円に達した。1週間前より1.9円の値上がりという。

ガソリン価格が高水準で推移している背景には中東の産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)が2017年1月、ロシアなどの非加盟国と原油の協調減産を開始。原油の価格上昇が加速したことに加え、米国が5月初旬、イラン核合意からの離脱を決定。対イランの経済制裁を再開する意向を示し、イラン産原油の供給が減る懸念が広がったのが要因とみられている。

風が吹けば桶屋が儲かる、ではないが、見方によっては、ガソリンスタンド同士の「安売り合戦」に終止符が打たれて、スタンド経営が正常化へ向かうのではないかとも考えられる。だが、実態は甘くはなく。経営難から廃業に追い込まれるスタンドが後を絶たないようだ。

そんな中、「2050年には全国のガソリンスタンドがゼロになる」と衝撃的な長期予測を唱えるのは、日産自動車取締役で産業革新機構会長の志賀俊之氏。


志賀氏は電気自動車の急速充電規格CHAdeMO(チャデモ)の普及活動に取り組むチャデモ協議会の会長も務めているが、5月30日には、2018年の会員大会が東京・港区台場のホテルで開かれ、志賀会長が「2050年のモビリティ社会」をテーマに基調講演を行った。

志賀氏は「きょうは日産でもなく、産業機構やチャデモの会長という立場でもなく、志賀個人の考え方として発言させてもらいます」と前置きしながら「2050年に消えるものは、ガソリンスタンド、個人の運転運転免許証、街の信号機、そして自宅の駐車場」と大胆に予言した。

この志賀氏の予言はすでに大手石油元売り会社の会合などでも講演した内容のものだが、「100年に1度の大変革を迎えて先行きに不透明感が漂う中、スタンドの経営者も保守的な考え方ではなく新たな業態にチャレンジしてもらいたい」と叱咤激励する意味でもあえて刺激的な大胆な予言をしたという。

32年後の2050年といえば、志賀氏も90歳半ば。人生100年時代、“生き証人”になる可能性もあるだけに「無責任な発言」ではすまされないかも……。

志賀氏(CHAdeMO大会)《撮影 福田俊之》 志賀氏(CHAdeMO大会)《撮影 福田俊之》