『F-PACE』に対し全長(ー330mm)、全幅(ー35mm)、全高(ー15mm)がひと回り以上小さく、ホイールベースも195mm短い『E-PACE』。車重差は30kg(250psガソリン車)程度だが、走りっぷりは“軽快”なものだ。
最小回転半径はカタログ上F-PACEと同じ(5.6m)。このため、駐車場からクルマを出そうとするシーンでは“小振り”な印象は受けにくい。が、比較的アップライトな着座姿勢で、周囲の状況は見渡すように目に入り、さらに、ひとたび走り出せば、なるほど“操っている感”がダイレクトに実感できる爽快な走りが味わえる。
新設計の2リットル・ガソリンエンジン(249ps/365Nm)は9速ATとの組み合わせだが、エンジンの存在をキチンと感じさせるタイプで、加速中なら回転の上昇が音とパワー感で受け止められる。今回は市街地がメインの試乗となったが、高速走行時の余裕も十分であろうことは想像できた。
試乗車は「R-DYNAMIC HSE」で20インチタイヤを履き、引き締まった乗り味だった。ベースグレードは18インチだから、そちらでのしなやかさの度合いも機会があれば試してみたい。とはいえ後席は前席同様にアップライトな姿勢ながら、走行中の快適性、居住スペースはしっかりと確保している。
また試乗車の“真紅”のレザー内装は、ハッとさせられるもので、前席についてはスポーツ形状のシートのホールド性が心地いい。ダイヤル内で設定温度の数字がクッキリと表示された空調の操作系など、機能と上質さが両立したインテリアのデザインも洗練され、上質感が味わえるものだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
【ジャガー E-PACE 試乗】ダイレクトな爽快さが持ち味…島崎七生人
2018年05月27日(日) 08時00分
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