5月23〜24日の鈴鹿テストには11台が出走した。《写真提供 MOBILITY LAND》

5月23〜24日、鈴鹿サーキットで「鈴鹿10時間耐久レース」(8月26日決勝)の公式テストが実施され、昨季GT300王者“初音ミク陣営”が走らせるメルセデスAMG GT3など11台が参加、本番に向けての準備を進めた。

鈴鹿10時間耐久レース(愛称:鈴鹿10H)は、従来の鈴鹿1000kmレースのコンセプトを継承しつつ、今年から始まる新たなレース(SUPER GTのシリーズ戦ではない)。「GT世界一決定戦」との触れ込みで、GT3規定マシンを中心に国内外から多くの強豪チームが参加する(本戦エントリーは現段階で30台以上)。

普段はSUPER GTのGT300クラスを主戦場にしている陣営も多く参戦予定で、今回の公式テストには彼らを中心に11台が出走。初日ウエット、2日目ドライの状況下で、本番同様に全車がピレリ製タイヤで走行した。

GT300クラスの昨季チャンピオン陣営であるGOOD SMILE RACING & Team UKYOも、この鈴鹿10H初回大会にエントリー。同陣営は昨年のスパ・フランコルシャン24時間レースに参戦した時と同様、小林可夢偉を迎え入れ、GT300王者コンビ 谷口信輝&片岡龍也との強力トリオで臨む。今回の公式テストにも3人のドライバーが参加し(谷口は初日のみ)、“初音ミク”カラーの00号車メルセデスAMG GT3で走行を重ねた。

#00 メルセデスの片岡は、テストの感触を次のように語る。

「ピレリの特性を知る、いいテストになったと思います。使用ラップ数によるグリップ変動が大きいので、1周目、5周目、10周目、15周目…どこでマシンバランスを取るのか、そしてどうすれば(グリップやタイムの)落ちの度合いを和らげることができるのか、そのへんが重要になるでしょうね。他のマシンもだいたい同じような状況みたいです。タイム的にも接近していますしね。もちろん本番のレースウイークで多くの台数が走った時の路面へのラバーの乗り方もありますし、まだ答えは見つかっていないですけど、クセのようなものは見えてきました」

直前の週末にあったSUPER GT鈴鹿戦の予選と比べると、今回のテストのタイム次元は全体に約5秒ほど遅い。タイヤの違いだけに依るものではないだろうが、やはりタイヤ戦争のあるSUPER GTとタイヤワンメイクの鈴鹿10Hでは、いろいろな意味で違う戦況が展開されるようだ。#00 メルセデスを含む国内強豪がどういう対応をしていくか、これがひとつの焦点になる。

なお、2日間総合のトップタイムはD’station Racingの7号車(ポルシェ)で、藤井誠暢が2分01秒173を記録している。

鈴鹿10Hの本番はほぼジャストで3カ月後。8月23〜26日が広義のレースウイークとして設定され、鈴鹿市全体で夏祭り的なイベント盛り上げも展開される予定となっており、こちらの面でも大いに注目を集めることになりそうだ。

#00 メルセデスAMG GT3《写真提供 MOBILITY LAND》 #00 メルセデスの(左から)小林可夢偉、片岡龍也、谷口信輝。《写真提供 MOBILITY LAND》 2日間総合のトップタイムをマークした#7 ポルシェ。《写真提供 MOBILITY LAND》 テスト参加のマシン、ドライバーによる集合写真。《写真提供 MOBILITY LAND》 #777 ホンダNSX GT3《写真提供 MOBILITY LAND》 #21 アウディR8 LMS《写真提供 MOBILITY LAND》 #88 ランボルギーニ・ウラカンGT3《写真提供 MOBILITY LAND》