「SiCをウエハから一貫して製造する唯一のメーカー」のロームは、自社で開発・製造する半導体デバイスをラインナップ。「なかでもぜひ見てほしいのは、インバーターのフルSiCパワーモジュールへの変遷がわかるフォーミュラEコーナー」と同社。(人とくるまのテクノロジー展)
フォーミュラEに参戦するヴェンチュリー・フォーミュラEチーム(Venturi Automobiles)のオフィシャル・テクノロジー・パートナーであるロームは、インバータのシリコンカーバイド(SiC、炭化ケイ素)パワーデバイスを提供してきた。
ロームは、電力システム高効率化の中核をなす部分のひとつ、直流から交流へと変換させるインバータをフォーミュラEに提供し、その実績を今後のEV技術に反映させていく構え。
同社は、シーズン3で供給してきたSiCショットキーバリアダイオードを、シーズン4でフルSiCモジュールへと進化させた。このインバーターの進化をひと目でわかるように展示したコーナーが、フォーミュラEコーナー。
シーズン2のパワートランジスタによるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)では、重量15kg・200KWというスペックだったのに対し、シーズン4のフルSiCモジュールは9kg・220KWと軽量化・小型化・高負荷対応を実現。ブースでは、「シーズン2から4までで6kgの軽量化、43%サイズダウンさせた」と来場者に伝えている。
「インバータの小型化や軽量化、耐熱性などをすすめると、ラジエーターやバッテリーといったEVの周辺機器の小型化や軽量化へとつながる。だから、電気自動車のパフォーマンスを司るインバータの進化が重要」(同社)
シリコン(Si)と炭素(C)が結合したSiC(シリコンカーバイド)は、2000度を超える高温での昇華を経てつくられる化合物半導体材料。
ヴェンチュリー・フォーミュラEチームのMaro Engelドライバーは、「特に重要なのが、我々のマシンに搭載するロームのSiCシリコンカーバイド技術。これによって、発生する熱を制御できるからモーターのパワーも上がり、そのぶんラップタイムが縮まる」と伝えている。
EVの中核部分はインバータ、ロームがその進化をフォーミュラEで伝える…人とくるまのテクノロジー2018
2018年05月25日(金) 07時00分
関連ニュース
- 【ミサノE-Prix】ダ・コスタ失格、ローランドが繰り上げ優勝…フォーミュラE 第6戦 (04月15日 14時30分)
- 【ミサノE-Prix】最終ラップのドラマ、ヴェーレインが勝利!…フォーミュラE 第7戦 (04月15日 15時25分)
- フォーミュラEの世界をゲームで再現、東京公道コースも収録 (04月10日 12時45分)
- ABTクプラ、東京E-Prixで初の6ポイント獲得!…フォーミュラE (04月02日 17時45分)
- ジャガーTCSレーシング、東京E-Prixでチームランキング首位キープ…フォーミュラE (04月02日 17時30分)