歩道橋を使用せずに道路をショートカットするように横断していた高齢女性が乗用車にはねられる事故が起きた。女性はこの事故で死亡している。

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21日午後8時ごろ、北海道室蘭市内の道道で、徒歩で道路を横断していた高齢女性に対し、交差進行してきた乗用車が衝突する事故が起きた。女性は死亡。警察はクルマの運転者を逮捕している。

北海道警・室蘭署によると、現場は室蘭市知利別町2丁目付近で片側2車線の直線区間。横断歩道や信号機は設置されていない。78歳の女性は徒歩で道路を横断していたところ、交差進行してきた乗用車にはねられた。

女性は近くの病院へ収容されたが、頭部強打が原因でまもなく死亡。クルマを運転していた同市内に在住する38歳の男にケガはなく、警察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕。女性死亡後は容疑を同致死に切り替え、調べを続けている。

現場は街灯が設置されており、夜間でも見通しが比較的良い区間。近くには歩道橋もあった。警察の聴取に対して男は「対向車のライトに気を取られて歩行者を見落としていた。衝突するまでわからなかった」などと供述しているようだ。警察では双方の安全確認に怠りがあったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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事故の主因はショートカット横断とみられるが、クルマの運転者は「対向車のライトに気を取られて歩行者を見落とした」とも供述しており、対向車のライトの眩しさから歩行者が消え失せたように視界から消えていく「蒸発現象」が発生していた可能性が高い。

夜間のハイビーム使用は早期の歩行者発見に役立つ一方、対向車の運転者にはこの蒸発現象をもたらす可能性もあり、ロービームと適切に切り替えて使うことが重要になってくる。