#30 佐藤琢磨は予選16位となった。《写真提供 Honda》

「第102回インディアナポリス500マイルレース」(現地27日決勝)の予選が終了し、前年優勝者の佐藤琢磨は予選16位から大会2連覇を目指すこととなった。ポールポジションはエド・カーペンターが獲得している。

世界3大レースのひとつで北米最大のレースイベント、インディ500(今季インディカー・シリーズ第6戦)。2連覇という偉業を狙う佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/エンジンはホンダ)は16位で予選を終えた。字面からは厳しい雰囲気を感じてしまう予選結果だが、インディ500というレースはF1やスーパーフォーミュラなどに比べると、様々な意味で予選と決勝の直結度が低い性質をもつ(もちろんポールの価値は高いが)。楽観こそできないものの、決してあきらめる必要はない状況だ。

今回のインディ500開幕以降、正直なところ苦戦傾向にあった琢磨の陣営(今季の移籍先 Rahal Letterman Lanigan Racing)だが、日が進むにつれ、そこを脱しつつある走行内容にも思えるので、大一番の決勝に向けて一層の充実に期待がかかる。

#30 佐藤琢磨のコメント
「今日(予選2日目)はマシンに安定感を持たせることができました。トップスピードを上げるということを目指したなか、それはまだ納得のいくレベルに達してはいませんが、安定した走行を可能とするマシンにすることはできたと思います。チームのエンジニアたちは本当にハードに働いています。ドライバー3人は昨日(予選初日)苦しい戦いを強いられていましたが、今日、安定した走りをついに実現できたのは嬉しいですね。今日、我々が学び取ったものは本当に大きいと思います。大きな前進ができました」

「予選が終わり、これからは決勝レース(向けのセットアップ)に集中した、今日までとはまったく異なる戦いが始まります。明日(現地21日)のプラクティスのあとには、金曜日(同25日)のファイナルプラクティスまでの間にマシンに(大きな)作業を行なう時間もあります。レースではトラフィックのなかで速く、安定感のあるマシンが強い。暑さのなかでのレースとなれば、タイヤの摩耗にも悩まされる戦いにもなるはずです。そうした戦いになったときに強いマシンを作る、そこが重要だと考えています」

ポールポジションはエド・カーペンター(#20 Ed Carpenter Racing/シボレー)が獲得した。インディ500は各列3台でグリッドが組まれるが、2位にシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)、3位にウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)が続き、シボレー勢が最前列を占拠している。ホンダ勢最上位は5位のセバスチャン・ブルデー(#18 Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan/ホンダ)。

また今回、引退レースとして参戦する女性ドライバー、ダニカ・パトリック(#13 Ed Carpenter Racing/シボレー)は予選7位につけている。

日本でも過去最高といっていい注目を集める第102回インディ500の決勝レースは、現地27日に開催される(33台出走予定)。

連覇を目指す#30 佐藤琢磨。《写真提供 Honda》 連覇を目指す#30 佐藤琢磨。《写真提供 INDYCAR》 ポールを獲得した#20 カーペンター。《写真提供 INDYCAR》 予選2位の#22 パジェノー。《写真提供 INDYCAR》 予選3位の#12 パワー。《写真提供 INDYCAR》 ホンダ勢最上位、予選5位の#18 ブルデー。《写真提供 Honda》 引退レースとなる#13 パトリックは予選7位。《写真提供 INDYCAR》