GT300クラスは#96 RC F(先頭)が優勝。《撮影 益田和久》

20日に決勝が実施されたSUPER GT第3戦鈴鹿、GT300クラスではレース中盤過ぎに上位で展開されたマルチバトルを抜け出して#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&中山雄一/ブリヂストン=BS)がポール・トゥ・ウイン、今季初優勝を成し遂げた。新田は通算最多勝タイ記録の19勝目。

レースが中盤を過ぎる頃、GT300クラスの上位は5台が2秒以内にひしめく激戦状況となった。タイヤ無交換作戦を採る陣営もあるなどしたなかで現出したマルチバトルだったが、そこをくぐり抜けて、終盤は独走に近い状況にもちこんだのがポール発進の#96 RC Fである。新田〜中山とつないでのポール・トゥ・ウイン、嬉しい今季初勝利となった。

バトルを勝ち抜いた当事者の中山は、「(体制が新しくなった面のある)チームにとって初ポールからの初優勝、3戦目で結果を残せてホッとしています。チームのピット作業も速かったですし、新田さんもクルマの100パーセントを引き出して走ってくれました」と喜びを語り、さらに「去年から自覚しているRC Fの特徴、高速コーナーが得意なことを活かせたとも思います。(鈴鹿名物の高速コーナー)130Rは“GT400クラス”なみに速いですから(笑)。コースにも感謝ですね」と勝因を分析した。

新田は「予選から好調でしたし、なんとか後続を引き離したいと思っていました。タイヤ無交換をやってくるチームがいることも分かっていましたからね。自分の前半スティントは完璧なくらいに進められていたんですけど、セーフティカー導入があって貯金(リード)が帳消しになった時はちょっとガッカリしましたね。でも、その後もできるだけ離そうと頑張りました」と振り返る。「チームがクルマを良く仕上げてくれましたし、BSタイヤもいいパフォーマンスでした」。

これで新田は、かつての僚友で今はよきライバルの高木真一(#55 ARTA BMW M6 GT3)に並ぶGT300通算19勝目。前戦で高木が勝ったことにより1勝差をつけられていたが、再び最多タイに並んでいる。

中山は次戦のタイ大会についても、「去年もRC FとBSタイヤで勝っていますし、期待は大きいです」と語った。連勝が難しい性質のシリーズではあるが、得意コースが続くカレンダー構成を味方につければ、快挙達成も可能な雰囲気が今の#96 RC F陣営にはある。充実感あふれる今季初勝利だった。

#96 RC Fが混戦のトップ5バトルに断を下した後も、今度は2〜8位が熾烈すぎるバトルとなった。その渦中にあり、鈴鹿を大いに沸かせた7台の最終順位は以下の通りとなっている。

2位 #25 HOPPY 86 MC(松井孝允&坪井翔/ヨコハマ=YH)
3位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)
4位 #88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴&M.マッペリ/YH)
5位 #60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹&宮田莉朋/YH)
6位 #18 UPGARAGE 86 MC(中山友貴&小林崇志/YH)
7位 #65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹&蒲生尚弥/BS)
8位 #0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)

次戦は6月30日〜7月1日のタイ大会。4組目のウイナーが生まれるのか、あるいはGT300クラス今季最初の2勝目達成があるのか。チャン国際サーキットの戦いも熱戦となりそうだ。

優勝した#96 RC F。《撮影 益田和久》 GT300クラスの表彰式、中央左が中山、右が新田。《撮影 益田和久》 決勝2位の#25 HOPPY 86 MC。《撮影 益田和久》 決勝3位の#61 BRZ。《撮影 益田和久》 決勝4位の#88 ウラカン。《撮影 益田和久》 決勝5位の#60 RC F。《撮影 益田和久》 決勝6位の#18 UPGARAGE 86 MC。《撮影 益田和久》 決勝7位の#65 メルセデス。《撮影 益田和久》 決勝8位の#0 メルセデス。《撮影 益田和久》 GT300クラス、決勝スタートの模様。《撮影 益田和久》 #96 RC Fはポール・トゥ・ウインを飾る。《撮影 遠藤俊幸》 左からGT300優勝の中山、新田、GT500優勝の野尻、伊沢。《撮影 遠藤俊幸》