高齢者の運転する乗用車が、警報機や遮断機が作動した後の踏切へ進入して、特急列車と衝突する事故が起きた。双方ともに人的な被害は無かったが、現場を含む一部区間で約1時間30分に渡って列車の運行がストップした。

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7日午後8時45分ごろ、愛知県名古屋市熱田区内にある名古屋鉄道常滑線の踏切で、警報機や遮断機が作動した後に踏切内へ進入してきた乗用車と、通過中の特急列車が衝突する事故が起きた。双方に人的な被害は無かった。

愛知県警・熱田署によると、現場は名古屋市熱田区伝馬3丁目付近(神宮前〜豊田本町駅間)にある踏切で、警報機と遮断機が設置されている。乗用車はこれらが作動した後に踏切内へ進入し、直後に通過した上り特急列車(中部国際空港発/岐阜行き、6両編成)と衝突した。

この事故でクルマは中破したが、運転していた中区内に在住する79歳の男性にケガはなく、列車の乗客乗員約200人も無事だった。警察ではクルマの運転者から過失往来危険容疑で事情を聞いている。

現場は道路側からの見通しが良い区間。列車の運転士は警察の聴取に対して「クルマは遮断機が下りてから踏切内へ入ってきた。非常プレーキを掛けたが間に合わずに衝突した」などと話しており、警察ではクルマ側に漫然進入の疑いがあるとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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事故を起こしたクルマは列車の通過直前に動き出し、そのまま遮断機が下りていた踏切へ進入したようだ。

こうした事故の場合、クルマが動いている状態では「止まろうとしてアクセルとブレーキを踏み間違える」、止まっている際は「ブレーキを誤って緩めた(ベダルから足を離した)結果、クルマが動き出す」といったケースが目立つという。
冬季になると「踏切手前の路面が凍結していて、スリップした状態で進入」というケースも加わる。

踏切でのこうした事故は高齢者だけに限らず、年齢が若い層でも目立つ事故なので注意が必要だ。