ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー 

北京モーターショー2018で公開されたのはあくまでコンセプトカーだが、市販化されてもおかしくないと思えるマイバッハの『ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー』。やたらと長い名前を持つこのクルマは、驚きの連続だった。

まずはパッケージ。セダンとSUVを掛け合わせたクロスオーバーモデルなのだ。確かに中国ではジャンルとしてセダンとSUVの人気が高いが、その2つを掛け合わせたスタイルは斬新でありオリジナリティあふれる。

ジャンルとしてはスバル『アウトバック』のセダンモデル、プロポーションとしてはかつてスズキが発売した『X-90』に似ていなくもないが、いずれにせよ超プレミアムなブランドがこのジャンルに注目しているというのは興味深い。

コンベンショナルなセダンよりも高く座り、見晴らしがよく周囲を見下ろすような感覚はこれまでのセダンでは味わえなかったものである。その感覚を中国の顧客が求めていることを、メルセデスベンツはしっかり認識しているのだろう。

現在販売しているメルセデスベンツ車には、このクルマのベースのなりそうなボディは存在しないが、もしかしたら新たなるバリエーションとして用意し、それをベースに最高峰仕様としてマイバッハを展開する野望があるのかもしれない。

インテリアも「まさか」の展開だ。なんと後席のセンターコンソールには茶器一式が組み込まれているのだ。ロールスロイスにはティーセットやシャンパングラスが設定されているが、その中国版といえるだろう。この発想が意味するのは、メルセデスベンツの中国への強いリスペクトに他ならない。


そして、3つ目めの「まさか」は細部のデザイン。フロントバンパーの下部(黒い部分)は開口部に見えて実は開口部ではなく、模様になっている。その模様を見ると、なんとひとつひとつがマイバッハのエンブレムになっているのだ。まるで家紋のようである。しかし単にエンブレムが連続するだけでなく、段によってはエンブレムを上下逆さにデザインしているのだから驚くほかない。

ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー  ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》 ヴィジョン・メルセデスマイバッハ・アルティメット・ラグジュアリー(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》