レクサスES(北京モーターショー2018)《撮影 工藤貴宏》

ワールドプレミアの場所に中国を選び、北京モーターショー2018でお披露目された新型レクサス『ES』。レクサスの新型車が中国で公開されることを意外に思うかもしれないが、今や世界一の自動車市場となった中国はレクサスにとっても重要なマーケットである。

なかでもESは2017年の販売実績を見ると世界販売のうち約45%が中国であり、また中国市場においてはレクサスの販売台数のうち約45%がES(北米では17%程)という“中国依存”の高いモデルなのだ。そう考えると中国で新型はワールドプレミアとなるのも当然の成り行きだろう。

また、新型は「レクサスES」として初めて日本へ導入されることも決定している。『GS』など近いボディサイズの身内に対しては、「室内の広さや乗り心地の良さなど快適性重視というキャラクターを理解して選び分けていただく」とチーフエンジニアの榊原康裕氏は言う。

日本に導入されるラージボディ(GSよりも大きい)のレクサスとしてははじめてFFを採用したESは、室内の広い足元が自慢。また後席の電動リクライニングを設定するなど、ほぼ同じ車体サイズながらFRでドライバーオリエンテッドなGSに対してリヤシートで寛げることを重視したクルマに仕上がっている。

ところで、そんな新型ESにはレクサス初採用されるアイテムがふたつある。


ひとつはグリル。一見したところ新型『LS』にも似た雰囲気だが、よく見るとグリル内がこれまでの網目ではなく縦スリットになっているのだ。これが見た目からわかる「レクサス初」だ(「F SPORT」ではメッシュ状のグリルとなる)。

もうひとつはショックアブソーバーだ。「スイングバルブショックアブソーバー」と呼ぶ、一般的な固定されたバルブに加えて固定されていないバルブを組み込んだ、新開発のショックアブソーバーが一部仕様(日本向けなどの電子制御サスペンション非装着車)に採用されるのだ。これはバルブの動きの自由度が高まることで、微小な入力に対しても衝撃をしっかり吸収することで乗り心地向上を狙ったアイテムである。

ちなみにこれもレクサス初採用となる「GA-Kプラットフォーム」はトヨタ『カムリ』用プラットフォームのレクサス版だ。

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