UL Safety Index(安全指数)

米国の第三者安全科学機関ULは、世界各国の安全レベルを数値で可視化したツール「UL Safety Index(安全指数)」について、新たな評価項目「Road Safety(交通安全)」を追加したと発表した。

UL安全指数は、「組織力と国力(経済および教育等)」、 「安全性向上への取り組み(法規制や安全性を高めるインフラストラクチャーの整備)」、および「安全性に関する統計結果(不慮の怪我・死亡の発生数)」の3つの安全に関する推進要因に基づいて、世界187か国の相対的な安全性評価を0〜100の総合安全指数で算出していた。今回、交通事故は不慮の負傷や死亡の最大の原因の一つであることから、評価項目として含めることが不可欠であるとして、「交通安全」を追加した。

最新版では、オランダとノルウェーが引き続き最も安全な国として位置づけられ、豪州、スウェーデン、カナダがそれに続いている。今回の追加により、豪州、カナダ、ニュージーランドの順位が上がった一方、デンマーク、シンガポール、ドイツ、米国の順位は下がった。ただし、米国は前回から2ポイント減の89ポイントで高い数値は維持。新項目の「交通安全」ではマレーシア、フィンランド、アルゼンチンに次ぐ69ポイントと、高い数値となっている。

その一方、すべての要因の中で、経済や教育レベルを示す「組織力と国力」が総合安全指数に最も大きな影響を与えており、ソマリアや南スーダン、ギニアビサウは21ポイントを下回った。インドも「安全性向上への取り組み」は73ポイントを超える比較的高いスコアだが、「組織力と国力」では強い組織や資源等の欠如から、43ポイントを下回り、総合安全指数は63ポイントにとどまっている。

日本は東アジアで最高スコアとなる89ポイントを獲得し、世界19位。「交通傷害」と「中毒」の発生率に関して高スコアを獲得。新評価項目の「交通安全」も95ポイントで、世界7位と、比較的高いレベルを保持している。一方で、「転倒」に関しては66ポイントで、世界160位と非常に低く、昨今の高齢化問題が浮き彫りになっている。