鈴鹿2&4レースではTeam HRC高橋巧とヤマハファクトリー中須賀克行が激戦を繰り広げた写真提供 鈴鹿サーキット

ホンダワークスのTeam HRCが10年ぶりに全日本ロードレースに復帰して注目を集めるが、シリーズ第2戦鈴鹿2&4レースのレース2では、そのTeam HRC高橋巧とヤマハファクトリー中須賀克行が驚愕とも言える2分6秒台というハイペースバトルを演じてファンを興奮の世界へと誘った。

予選で中須賀は、新時代の扉を開く2分4秒台を記録。鈴鹿サーキットでのバイクレースで4秒台が記録されたのはこれが初めてで、もちろん新コースレコードだ。この中須賀はシリーズ第1戦ツインリンクもてぎでの2レースでも優勝しており、ライダー、マシンともに仕上がりは順調だ。

対する高橋巧はシーズン開幕直前に怪我をして、開幕戦は盤石な状態ではなかった。それでもレース1では2位、レース2では他車との接触でサイレンサーが破損するという不運なアクシデントに見舞われたが、それでもレースウイークを通じてしっかりとした速さを示していた。

そして迎えた第2戦鈴鹿2&4レース。予選で高橋巧は2分5秒465までタイムを詰める。中須賀のスーパーラップには及ばなかったが、2016年に記録した自身のベストタイム2分5秒689を更新。怪我も癒え、調子が上がってきていることをアピールした。そしてレース1では、中須賀の巧みなレース運びに2位となったが、レース2では、高橋巧と中須賀がなんと2分6秒台でトップ争いを展開。こけだけのハイスピードバトルに「一瞬のミスが取り返しのつかないことになる。だから勝負を仕掛けるにも慎重にならざるを得なかった」と中須賀が語るとおり、緊張の連続だった。

18周レースの16周目、スプーンカーブで中須賀がトップに立つと、そのままさらにペースアップ。これで高橋巧との勝負は決着して中須賀の開幕4連勝となったが、2位の高橋巧は悔しさをにじませながらも6秒台バトルに今後の手応えを掴んでいた。

「ホンダはストレートスピードが速いし、確実にマシンはポテンシャルアップしている。優勝はできたけれど、こちらもまったく余裕はない状態」とヤマハファクトリー吉川和多留監督が語れば、「2位は本当に悔しい結果。でも、6秒台でレースができたことは、鈴鹿8耐に向けて貴重なデータが取れた」とTeam HRC宇川徹監督。

吉川、宇川ともにかつてロードレース界でファクトリーライダーとして活躍した経験を持ち、1994年にはヤマハファクトリーの吉川が全日本スーパーバイクで、ホンダワークスの宇川が全日本GP250でそれぞれチャンピオンを獲得しいる。そう、中須賀と高橋巧の戦いは、吉川と宇川の代理バトルとも言えるのだが、鈴鹿8耐4連覇を狙うヤマハファクトリーと、それを阻止するべくTeam HRCの戦いは、今後もヒートアップしていくことは間違いない。

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