2017年スーパーフォーミュラ岡山戦の模様(当時は2レース制)。《写真提供 JRP》

今年9月のスーパーフォーミュラ(SF)岡山国際サーキット戦で、“アイルトン・セナへの挑戦”が実施されることとなった。これは同戦の予選Q3でオーバーテイクシステムの使用が認められることにより、セナの持つレコードタイムの更新が期待される状況となったものである。

4月21日、今季開幕戦開催中の鈴鹿サーキットにて、SFのシリーズ運営団体「JRP」は定例のプレス向けサタデーミーティングを実施。席上、倉下明社長と上野禎久取締役から、未定だった今季第6戦岡山(9月8〜9日)のレースフォーマットが発表され、昨年は2レース制だった岡山戦も今季は1レース制(250km戦)での開催に決まったことが告げられた。これで今季は7戦すべてがノックアウト予選+決勝1レース制で争われることになる(通常は決勝250km、鈴鹿での開幕戦と最終戦は300km=最終戦の距離は暫定)。

そして、岡山戦での新たなトピックもあわせて公表された。予選Q3でオーバーテイクシステム(OTS)の使用を2回程度認めることにより、1994年のF1パシフィックGP開催時に予選で故アイルトン・セナがマークした岡山のコースレコード、1分10秒218のブレイクを期待したい、というものである(詳細は今後決定される)。

現在のSFの岡山での公式最速タイムは、3年前の2015年5月に予選でマークされた1分12秒429。現行のSF14シャシーで石浦宏明(セルモインギング・トヨタ/2015&17年チャンピオン)が記録している(当時はブリヂストンタイヤ)。

“セナとの差”は約2秒。今季からSFでは全戦でドライ用タイヤが2スペック運用となっており、従来はなかったソフトがある(現在のタイヤはヨコハマ製)。このソフトとOTSによるパフォーマンスアップで、約2秒の差を詰められる可能性も、というかたちの試みになる。

近年の9月の気象状況を考えると、タイム出しにいい時季とは言い難いが、世間の耳目を引く意味では大きなアピール力をもち、ドライバーやチームにとっても新たなモチベーションとなる可能性がありそうだ(もちろん選手たちとチームはあくまでポールと優勝、そしてチャンピオンを目標に戦うのが基本ではある)。

24年前にアイルトン・セナがウイリアムズFW16ルノーでマークしたタイムは、岡山国際サーキット(当時の名称はTIサーキット英田)でのF1開催が1994〜95年の2回限りだったことなど歴史の偶然が重なるなか、ここまで伝説的に残ってきたわけだが、それがついに破られるのかどうか。注目度アップの今季SF第6戦岡山の公式予選は、9月8日(土曜日)に実施される予定だ。

現在のSF岡山レコードホルダーである石浦宏明(写真は2017年岡山戦)。《写真提供 JRP》 2017年岡山戦での石浦宏明(今季2018年はカーナンバー1)。《写真提供 JRP》 JRPの上野氏(左)と倉下氏。《撮影 遠藤俊幸》 今週末、スーパーフォーミュラは鈴鹿で開幕戦を開催中。《撮影 遠藤俊幸》