福岡県宗像市内で新聞配達中の男性がクルマにひき逃げされて死亡する事件が起きた。警察は別の事故を起こしていたクルマが容疑に関与したと判断して、運転していた男を逮捕している。

☆☆☆

19日午前5時ごろ、福岡県宗像市内の県道を走行していた新聞配達員の男性が乗る原付バイクに対し、クルマが衝突する事故が起きた。男性は死亡。クルマは逃走したが、警察は約2km先で別の事故を起こしていた男を逮捕している。

福岡県警・宗像署によると、現場は宗像市東郷4丁目付近で片側1車線の直線区間。現場を通りかかった人が道路脇で転倒している新聞配達用のバイクと、その近くに倒れている男性を発見。警察に通報した。

男性は近くの病院へ収容されたが、全身強打が原因でまなく死亡。所持品などから同市内に在住する65歳の男性と確認された。バイクの周辺には軽乗用車のものとみられるタイヤのホイールキャップやドアミラーなどが脱落しており、警察ではクルマが衝突したことで転倒に至ったものと判断している。

クルマは現場から姿を消していたことから警察はひき逃げ事件として捜査を開始したところ、約2km先で橋の欄干に突っ込んでいる軽乗用車を発見。このクルマからはドアミラーが脱落しており、ひき逃げ事件の現場で採取したものと合致。このクルマがひき逃げ事故を起こしたとして、運転していた芦屋町内に在住する31歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。

男からは酒気帯び相当量のアルコール分も検出。飲酒運転の末に欄干に衝突する事故は大筋で認めたものの、ひき逃げ事件については「知らない」などと供述し、関与を否認しているようだ。警察では2件目の事故は逃走の過程で発生したと判断。飲酒した場所や量の特定を急ぐとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

☆☆☆

衝突被害を受けたバイクや、関与したクルマの部品は広範囲に散乱しており、速度差がある状態で衝突したものとみられている。

逮捕された男のクルマはカーブ進行中に路外へ逸脱して橋の欄干に突っ込んでおり、これも速度超過が疑われているようだ。発見時には橋の欄干に突っ込んでいたため、これは否認のしようがなかったようだが、ひき逃げ事件については否認しているという。