横断歩道のみが設置された区間を徒歩で横断していた高齢女性に対し、交差進行してきた乗用車が衝突。路上に倒れこんだ女性は直後に進行してきた対向車にもはねられて死亡している。

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17日午後9時20分ごろ、埼玉県春日部市内の県道で、横断歩道を渡っていた高齢女性に対し、交差進行してきた乗用車が衝突。女性は対向車にもはねられて死亡した。対向車は逃走しており、警察はひき逃げ事件として捜査している。

埼玉県警・春日部署によると、現場は春日部市大場付近で片側1車線の直線区間。横断歩道はあるが、信号機は設置されていない。86歳の女性は徒歩で横断歩道を渡っていたところ、交差進行してきた乗用車が衝突。対向車線側で倒れこんだ女性は別のクルマにもはねられた。

女性は近くの病院へ収容されたが、全身強打などが原因で約2時間後に死亡した。対向車線のクルマはそのまま逃走したが、警察は最初にはねた乗用車を運転していたさいたま市岩槻区内に在住する43歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕。女性死亡後は同致死に切り替えるとともに、逃走した対向車については死亡ひき逃げ事件として捜査している。

現場は街灯が設置されており、夜間でも見通しの良い区間。事故当時は雨が降っていた。警察の聴取に対して男は「スマートフォンの画面に気を取られていた」などと供述しているようだ。警察では前方不注視が事故の発端になったと判断。ひき逃げについては周辺に設置された防犯カメラ映像の分析を急ぐとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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現場は夜間でも見通しが良い区間ではあるが、事故当時は降雨によって視界が悪くなっていた。ただし、女性をはねたクルマの運転者はスマートフォンの画面を注視していた疑いがあり、前方で横断する女性には気がついていなかったものとみられている。