煽り行為はあったものの、運転者同士の直接トラブルや事故に至ってはいない交通トラブル事案で、警察は煽り行為を行っていた男を暴行容疑で書類送検した。

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昨年10月、北海道旭川市内の国道237号で通行を巡るトラブルで立腹し、約200mに渡って相手車両の通行を妨害したとして、北海道警は11日、妨害していたクルマの運転者を暴行容疑で書類送検した。

北海道警・旭川東署によると、問題の事件は2017年10月22日の午前2時30分ごろ発生している。旭川市西神楽北1条2丁目付近の国道237号を走行していた40歳代の男性が運転する乗用車に対し、これを追走してきた後続のクルマが強引に前方へ割り込んで進路を妨害するように停止。男性は止まったまま動かないクルマを追い抜いて走り始めたところ、さらに追い抜きをかけて進路を妨害するなど、約200mに渡って煽り行為を繰り返した。

煽り行為をしたクルマの運転者と直接のやり取りはなかったが、一連の行為に危険を感じた男性は一部始終を記録したドライブレコーダー映像を警察に提出するとともに、被害を届け出た。警察は提出された映像から容疑車両を特定し、運転していた49歳の男から任意で事情を聞いていたが、男が煽り行為への関与を大筋で認めたことから、11日までに男を暴行容疑で書類送検している。

昨夏に発生した交通トラブルを起因とする致死事件以降、全国の警察では交通トラブル事案への厳しい対処を行っているが、運転者同士による直接のやり取りを伴わず、事故にも至っていないケースに暴行容疑を適用し、同罪で書類送検を行うのは北海道内では初めてだという。

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男性のクルマは現場手前の交差点で、男が運転するクルマの前に進入していたが、男はこれを「自身の進路が妨害された」と認識し、その直後から煽り行為を始めたものとみられている。

運転者同士が直に対決するようなトラブルになっておらず、事故にも至っていない交通トラブルではあるが、凶悪化しやすい最近の同様案件であるとか、警察庁からの「厳しく対処」という通達もあり、軽度のことでも立腹しやすい人物による再発防止の意味も込めて今回はこのような厳しい対処が行われたようだ。