ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会住友ゴム:広報資料

ダンロップによれば、ユーザーがタイヤに求める性能は燃費の良さと長持ち(耐摩耗性)だという。このうち耐摩耗性はタイヤそのものの特性であり、メーカーが開発に力を入れるところでもある。

昨年発表されたダンロップのスタンダードタイヤ『エナセーブ EC204』は、従来モデルよりさらに耐摩耗性を向上させ、主溝の摩耗性は4%、偏摩耗については16%も耐性を向上させたという。耐偏摩耗性にこだわったのは、タイヤの摩耗による交換のとき、およそ63%がショルダー部の摩耗によるもので、イン側の溝が残っている偏摩耗だからだ。タイヤの半分はまだ溝が使えるのに、ショルダーや外側が使えなくなっての交換はいかにももったいない。

EC204ではスタンダードクラスのタイヤではめずらしい非対称パターンを採用することで、偏摩耗を対応した。トレッド面のアウト側ブロックの剛性を上げ、タイヤプロファイルもコーナリング時のアウト側の変形を抑える形状にしている。結果として非対称パターンとなった。ただし、回転方向は対称になっているので、タイヤローテーションは一般的なタイヤと同じで、回転方向を合わせる必要はない。

昔はショルダー部分だけ減ってくると、ホイールから外して組み替えてもらったものだが、いまではそういった整備をする人は少ない。ダンロップとしても、近年はそのようなニーズは無視できると判断し、非対称パターンを採用した。もっとも、ショルダー部の耐摩耗性が向上するなら、そもそもそんな手の込んだ整備は必要ない。最後まで安定したタイヤ性能が期待できる。

EC204の装着車両に試乗することもできた。試乗車は新型日産『リーフ』(205/55R16)とトヨタ『プリウス』(195/64R15)。プリウスについては旧モデルのEC203と『ルマンV』との比較も行った。試乗コースは一般道だ。

試乗では実際の耐摩耗性を調べることはできないが、ショルダー部の剛性がアップしているということなので、主にステアリング操作の反応などをチェックした。リーフは試乗開始から早い段階で乗ったため、まだ新品タイヤ特有のワックスが残っている感覚(ステリングの軽さ)があったが、コーナリングの安定感は損なわれていない。路面の凹凸の突き上げ感が、次に乗ったプリウスよりあったものの、許容範囲だ。

プリウスでの試乗はEC203やルマンVとの比較となるが、正直なところEC203とEC204の違いはあまり感じられなかった。一般道での試乗のため、乗り心地や静粛性は評価できるものの、ショルダー部の剛性やステアリングレスポンスの評価は難しい。

ただ、コース上にアップダウンのあるコーナー、鋭角コーナーの場所があった。リーフでもプリウスでも、ライントレースのしやすさは感じた。とくにコーナー出口でアクセルを空けたときのトラクション(まだ横Gが残っている段階)を感じる。リーフのモータートルクにも負けていない。

静粛性については、そもそも新型リーフは防音性能がかなり高くなっているため、評価が難しいが、少なくとも筆者が乗った新型リーフと比較して違いは感じられなかった。ルマンVがいちばん静かだったのは当然として、EC203とEC204では、EC204では少しだけ高音域のノイズが軽減されている印象だ。

ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会住友ゴム:広報資料 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》 ダンロップ エナセーブ EC204 試乗会《撮影 中尾真二》