タイ国内で正規販売されることとなったGT-R

日産が誇るハイパフォーマンス・スポーツカー『GT-R』。ここタイでもSUPER GT(2014-15年 GT500クラス)で2年連続チャンピオンとなり、それが人気へとつながっていたが、そのGT-Rがついにタイ国内で正規販売されることとなった。

GT-Rの魅力は、存在感ある個性的なデザインと3.8リットルV6ツインターボが生み出す圧倒的な動力性能にある。デビューから10年を経過したクルマではあるが、これまでも年次改良を行いながら着実な進化を遂げてきた。今もなお日本のみならず、世界中にたくさんのファンを生み出しているクルマでもある。

プレスデー当日は開発責任者の田村宏志氏がステージ上でプレゼンテーターをつとめた。田村氏によれば、足回りは最新仕様のGT-Rに近い形で乗り心地にも配慮する一方、エンジンは現地の燃料事情に合わせたチューニングを施しているのだという。そのため欧州仕様に比べると動力性能は15Pほど抑えた設計となっている。今回の販売に合わせてメンテナンス体制も整えられ、万一のトラブルにすぐに対応可能となった。

タイ国内で販売される価格はなんと1350万バーツ。日本円に換算すると約4600万円にもなり、それは日本の3倍以上! どうしてここまで価格が高騰するのか。それはタイ政府が乗用車に対して17%もの物品税をかけているのに加え、特にアセアン域外からの輸入車に対しては高額な関税を課しているためだ。タイ国内で各車種の現地生産化が進んでいるのもそうした背景がある。

GT-Rはこれまでも並行輸入でわずかながらタイ国内にも入ってはいた。それが日産が正規で販売するようになるわけだ。一般公開日には熱心なファンが数多く来場。GT-Rに乗り込んで感触を体験する人が後を絶たなかった。担当スタッフによれば、すでに商談中となっているのが数件あるとのことだ。

会場には多くのファンが訪れていた GT-Rのプレゼンでは最後まで熱心に聞く姿が見られた プレゼンターはGT-Rの開発責任者を務める田村宏志氏 イメージカラーのオレンジに身を纏ったGT-R 空力工学を徹底追求したサイドビュー GT-Rのパフォーマンスを解説中 “V-MOTION”が生み出す空力工学 ピックアップや乗用車が多く並ぶ日産のブース