受注生産のベースグレードと「ジュリアスーパー」の価格差は97万円。両車は同スペックのエンジンを搭載するから、「シンプル、ベーシックなスタイルがいいよね」と考えるユーザーは、ベースグレードを選びそう、だ。
が、装備内容をチェックしていくと(別にセールスマンの代理を務めるつもりはないが)ジュリアスーパーがいいかも…の判断に傾く。快適装備は無論、機能面でも断然、充実しているからだ。ジュリアスーパーなら備わるアイテムは、機能ではベースグレードでは非搭載のACCを始め、車線逸脱警告/ブラインドスポットモニター/リヤクロスパスディテクションを始め、パーキングセンサーなどを搭載。日常ユースでの安心感を高めてくれる。
さらにシート/ステアリングヒーター、8ウェイパワーシート(ベースグレードは6ウァイ)、自動防眩ドアミラー、パドルスイッチも備わる。シートは厚みのある風合いがいいプレミアムレザーシート、さらにインパネ表皮とドアパネルのレザー貼り(ステッチ入り)は、上級の「ヴェローチェ」にもないものだ。試乗車はベージュ内装にウォールナットの組み合わせで明るく、“アメリカ市場に合わせたBMW『3シリーズ』を意識した風”に思えなくもなかったが、アルファロメオながら、昔ながらのストイックさとは正反対のラグジュアリーなムードだが、それも新鮮で快適であると思える。
試乗車は導入直後にも1度乗ったことがある個体だったが、走行距離が1万kmを超え、クルマ全体がこなれているのが実感できた。とくに2リットルターボエンジンは、200ps/33.7kgmのスペックだが8速ATのスムースな変速もあり、街中から高速走行までゆとりを残した性能を発揮。モードを“d”に切り替えれば、加速も1段と俊敏さが増す。
タイヤは前後異サイズ(前:225/45R18 91W、後:255/40R18 95W・ピレリ チントゥラートP7)で、車重1590kgに対し前後重量配分は800/790kg。こうしたスペックにより、コーナリングもスッと切れ込むシャープさで、スポーツセダンらしい振るまいを見せる。
エンジンの性能差分、上級のヴェローチェのほうが楽しさの奥行きと幅は大きいものの、“アルファロメオのセダンを走らせる愉しみ”という基準では、こちらのジュリアスーパーも満足度は高い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
【アルファロメオ ジュリア 試乗】アルファのセダンを走らせる愉しみ、なら「スーパー」を選ぶ…島崎七生人
2018年03月25日(日) 18時00分
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