GT300とS耐を戦うアウディ勢のドライバー、首脳たち。《撮影 遠藤俊幸》

富士スピードウェイでのSUPER GT公式合同テスト初日の24日、アウディジャパンは現地にて今季カスタマーレーシングの体制発表会を実施。同社はSUPER GT/GT300クラスの2台、そしてスーパー耐久の6台を、パーツ供給等の面で強力にサポートする。

今季、アウディ「R8 LMS」(GT3規定車)でSUPER GT/GT300クラスに参戦するのは2台。1台は、2016年にR8でシリーズ3位となった実績をもつAudi Team Hitotsuyamaの#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(R. ライアン&富田竜一郎/タイヤはダンロップ=DL)で、この日午前のセッションではライアンがトップタイムをマークしている。移籍加入の富田とともに今季の躍進に期待がかかる陣営だ。

一ツ山亮次チーム代表は「SUPER GTは難しいレースです。簡単には勝てませんが、常にトップ6を走れるようにしていけば、必ずチャンスは来るだろうと考えています。そして最終的にはチャンピオンを狙える位置につけたいと思います」との抱負を語り、新シーズンの激戦を見据えた。

なお、#21 アウディは若手の篠原拓朗を今季の“Cドライバー”としてチームに帯同させることを決めており、今回の富士テストに関しては篠原が第3ドライバーとして登録され、出走もしている。

もう1台は、GT300きっての名門、Team TAISANが走らせる#26 TAISAN R8 FUKUSHIMA(山田真之亮&川端伸太朗/ヨコハマ=YH)だ。こちらの陣営には元F1ドライバーの中野信治がスーパーバイザーというかたちで参画、チーム推進の一翼を担うこととなった(今回の富士テストには第3ドライバーとして出走)。

アウディでの参戦歴はまだ浅い#26だが、中野という強力な援軍も得て、名門を率いる千葉泰常チームオーナーは「(R8の)先輩である21号車に追いついていけるようにしたいと思います」と意欲を示している。

また、この日はスーパー耐久シリーズ(S耐)を戦うアウディ勢、4チーム計6台の体制も発表された。ST-Xクラスにはアウディ「R8 LMS」が3台、そしてST-TCRクラスにはアウディ「RS 3 LMS」が3台、それぞれ参戦する。

アウディ ジャパンの斎藤徹社長はパーツ供給の体制をさらに強化するなど、GT300、S耐を戦うカスタマーチームへのストロングサポートを宣言し、次のように期待を述べた。

「GT300はますます競争が厳しくなりますが、ヒトツヤマさんもタイサンさんもいい感触をもっておられるようなので、今季いい戦いを見せてくれるだろうと思います。S耐の方でも、数ある競技車のなかからこれだけの台数、アウディを選んでいただけました。両シリーズとも、アウディ勢にはトップ争いに絡むエキサイティングな戦いをしていただきたいです」

また、アウディ ジャパンは新たにS耐への参戦チャンスを組み込んだ「Audi driving experience Program 2018」の内容も発表。6月に富士で開催される上級プログラムの「サーキット トライアル“タイムトライアルセッション”」の優勝者1名には、「レース エクスペリエンス」としてRS 3 LMSでのS耐スポット参戦の機会が与えられることになる。

アウディスポーツというブランドを通じ、アウディジャパンはカスタマーレーシング支援を含む様々な活動を今年も鋭意、展開していく。

アウディ ジャパンの斎藤社長。《撮影 遠藤俊幸》 GT300クラスの#21 ヒトツヤマのドライバー。左からライアン、富田、篠原。《撮影 遠藤俊幸》 GT300を戦う#21 ヒトツヤマ陣営。マイクを持つのが一ツ山氏、その左が岡澤優チーム監督。《撮影 遠藤俊幸》 #21 Audi R8 LMS(GT300)《撮影 遠藤俊幸》 GT300の#26 タイサン陣営。マイクを持つのが千葉氏、その左が中野信治。右の2名がドライバーの山田と川端。《撮影 遠藤俊幸》 #82 Audi R8 LMS(S耐)《撮影 遠藤俊幸》 #19 Audi RS 3 LMS(S耐)《撮影 遠藤俊幸》