切れ長のヘッドライトと、厚みを少なくしてすっとした印象のリアのテールライト。伸びやかに描かれたボディデザインに油断させられるけれど、実際の数字は全長4900mm、高さは2000mm。いつも使っている駐車場に入れてみて改めて、大きさを実感する。改めて、というのは、走ったときの感覚が軽いからだ。
1830kgの重さを、軽々と前へ押しやるディーゼル・エンジン。4人乗車して2トンを超える状態になっても、トルクの頼もしさは変わらず、アクセルに対する加速反応がすこぶるよくてストレスがない。
さらに、運転のしやすさを実感させるのは、マツダお得意の「Gベクタリング」である。背の高いクルマは重心が高くなり、カーブを曲がるときにどうしても上半身が左右にゆられやすくなる。けれど、Gベクタリングのおかげで、遠心力でひっぱられ感が少ない。カーブを走っていてもクルマ自体がぴたっと安定するので、ハンドルを細かく切りなおす必要もなく、運転がうまくなった気分になるのである。
これは、運転している自分はもとより、同乗者、とくに後席乗員への負担も少ない。CX-8のように、大人カップルの移動を想定したクルマにとっては、もはや必需品ではないかと思われる。
高速:一般道を、7:3で試乗した今回。メーターに示された燃費は、14km/リットルを超える。タンク容量が72リットルで計算すると1000km走れることになり、給油回数が減らせることのメリットは大きい。
SUVでありながら、3列シートの多人数乗り。ミニバンを卒業しつつも、ミニバンの車内空間の広さと3列シートの使いやすさは捨てがたいという人には、ぜひ、お勧めしたい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。
【マツダ CX-8 試乗】ミニバンは卒業したけど捨てがたい、という人に…岩貞るみこ
2018年03月24日(土) 12時00分
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