丁字路交差点を曲がらずに直進してJR北陸本線の軌道内に誤進入してしまった乗用車と、通過中の特急列車が衝突する事故が起きた。幸いにも人的な被害は発生しなかったが、警察はクルマの運転者から事情を聞いている。

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13日午後7時20分ごろ、福井県坂井市内のJR北陸本線で、軌道内に誤進入してきた乗用車と、通過中の特急列車が衝突する事故が起きた。クルマは大破したが、運転者は衝突前に車外に脱出していてケガはなかったという。

福井県警・坂井署によると、現場は坂井市坂井町五本付近。乗用車は市道の丁字路交差点を突き当りまで直進。そのまま正面のJR北陸本線の軌道内に乗り上げるように進入し、立ち往生して身動きが取れなくなったところ、直後に通過した下り特急列車(大阪発/金沢行き、9両編成)と衝突した。

衝突によってクルマは大破したが、運転していた同市内に在住する60歳代の女性は衝突前に車外へ脱出していてケガはなく、列車の乗客乗員約370人も無事だった。

現場は夜間の見通しが悪い区間。軌道側に進入を防ぐフェンスは設置されていなかった。警察では過失往来危険容疑で女性から事情を聞いているが、聴取に対しては「道が続いており、直進できるものと思っていた」などと供述しているようだ。警察では漫然運転による誤進入が事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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軌道沿いには進入を防ぐためのフェンスは設置されておらず、フェンスで進路が塞がれていないから「まだ直進できる」と誤認してしまったようだ。とはいえ、前方を注視していれば「道が続いているか、否か」ぐらいはわかるはずなので、前方不注視と漫然運転が直接の理由ということになるのだろうか。